フランチェスコ・バニャイアはMotoGP日本GPスプリントで圧倒的な走りを見せ、優勝を果たした。一方でマルク・マルケスは2位を獲得し、2025年タイトル獲得にさらに近づいた。今季のスプリントで3位以上に入ったことがなく、7月のブルノ以来土曜日のポイントを獲得していなかったバニャイアだが、このもてぎではポールポジションからスタートし、ライバルからほとんど脅かされることなくレースを完全に支配した。
今年2度目の勝利であり、前回の勝利は3月末のアメリカズGP(オースティン)だった。ホンダのジョアン・ミルが序盤にバニャイア最大のライバルたちを後方に抑える役割を果たした。しかし、KTMのペドロ・アコスタが5コーナーでミルを抜いた後も、バニャイアとの差を縮めることはできなかった。アコスタは1周目の3コーナーでマルケスをアウトから抜き去り、その後数周にわたりマルケスは元チームメイトのミルを追い抜こうと試みたが、5コーナーや10コーナーで仕掛けてはワイドになり、ミルに抜き返される場面が続いた。レースの半分を過ぎたあたりでバニャイアのリードは2秒以上に広がり、アコスタは逆にミルとマルケスに近づかれていった。12周のうち8周目、マルケスはついに10コーナーでミルを大きく外に押し出してオーバーテイクに成功。その2周後にはペースの落ちたアコスタも抜き去ったが、バニャイアとの差を埋めることはできず、2位でチェッカーを受けた。アコスタは3位でフィニッシュし、ミルとVR46ドゥカティのフランコ・モルビデリが続いた。ヤマハのファビオ・クアルタラロはホンダのルカ・マリーニからのプレッシャーを振り切り6位を確保。アレックス・マルケスは序盤にトラックハウス・アプリリアのラウル・フェルナンデスの後方でペースを落とし、さらにミスを犯して小椋藍に先行を許し、フェルナンデスと小椋がポイントを獲得する一方で自らは失敗に終わった。この結果、アレックスは日曜の決勝で兄マルクとの差を7ポイント以上縮めなければ、マルクのタイトル決定を阻止できなくなった。スタート直後の中団では大きな多重接触が発生。ホルヘ・マルティンがインに飛び込み、フェルミン・アルデゲルとジャック・ミラーに挟まれて1コーナー進入を誤り、アプリリアのチームメイトであるマルコ・ベッツェッキに激突。両者はその場でリタイアした。ヨハン・ザルコとアレックス・リンスもこの影響でスプリントが大きく損なわれた。ザルコはその後クラッシュせずにリタイアした2人のうちの1人で、もう1人はテック3KTMのエネア・バスティアニーニ。彼のRC16がストップし、KTMの信頼性不安をさらに深刻化させた。ジャック・ミラーは11位走行中の最終ラップに転倒した。2025年 MotoGP 日本GP スプリント結果1 フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)2 マルク・マルケス(ドゥカティ) +1.842秒3 ペドロ・アコスタ(KTM) +3.674秒4 ジョアン・ミル(ホンダ) +4.300秒5 フランコ・モルビデリ(VR46ドゥカティ) +5.130秒6 ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ) +8.913秒7 ルカ・マリーニ(ホンダ) +9.102秒8 ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・アプリリア) +10.334秒9 小椋藍(トラックハウス・アプリリア) +10.480秒10 アレックス・マルケス(グレシーニ・ドゥカティ) +11.487秒11 フェルミン・アルデゲル(グレシーニ・ドゥカティ) +13.492秒12 ブラッド・ビンダー(KTM) +13.823秒13 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(VR46ドゥカティ) +15.425秒14 中上貴晶(ホンダ) +16.352秒15 ミゲル・オリベイラ(プラマック・ヤマハ) +18.211秒16 マーベリック・ビニャーレス(テック3KTM) +20.706秒17 ソムキアット・チャントラ(LCRホンダ) +21.883秒18 アレックス・リンス(ヤマハ) +43.428秒リタイア ジャック・ミラー(プラマック・ヤマハ)リタイア ヨハン・ザルコ(LCRホンダ)リタイア エネア・バスティアニーニ(テック3KTM)リタイア マルコ・ベッツェッキ(アプリリア)リタイア ホルヘ・マルティン(アプリリア)
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