2023年 MotoGP 第3戦 アメリカズGPで、予選2番手から好スタートを切ったアレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)が、前日に行われたスプリントレースの2位に続き、決勝レースで今季初優勝を達成した。フロントロー2番手から好スタートを切ったリンスは、ポールポジションスタートのフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)をピタリとマーク。トップの2人が3番手以下を引き離し、一騎打ちの様相となった。
序盤はバニャイアがじわじわリードを広げた。しかし、バニャイアを上回るハイペースでリンスがバニャイアの背後に迫る。その数周後、リンスのプレッシャーの中でバニャイアが8周目に転倒し、リンスが単独首位に浮上した。リンスはその後、後続とのリードを確認しながら20ラップを着実に走り切り、自身としては昨年の最終戦バレンシアGP以来、3戦ぶり。アメリカズGPでは19年以来、2度目の優勝達成となった。ホンダとしては、21年のサンマリノGPでマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が優勝して以来、2年ぶり。今年で10回目の開催となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)のアメリカズGPでは、これで8回目の優勝達成となった。以下、Honda勢は、ケガで欠場のマルク・マルケスの代役として出場のステファン・ブラドルが、11番手を走行中の19周目に転倒。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は9番手を走行していた12周目。ジョアン・ミル(Repsol Honda Team)も10番手を走行中の9周目に転倒し、それぞれリタイアに終わった。今大会、リンスをのぞくホンダ勢は、リアのトラクション不足で苦戦した。そうした状況の中で、代役出場のブラドル、中上、ミルの3選手はポイント圏内で健闘したが、惜しくもリタイアに終わった。結果にはつながらなかったが、3選手の残したデータ、そして優勝したリンスの走りと彼の残したデータは、ホンダにとって大きな一歩となった。アレックス・リンス(LCR Honda CASTROL)「すばらしいレースになりました。僕らがやったこと、そして、優勝できたことに、とても満足しています。今日はいいラップタイムを刻むことができました。タイヤのフィーリングもよかったです。昨年よりも速いペースで走れました。マシンもほぼ同じなので、この調子をキープしていきたいです」ステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)「今日はかなりポテンシャルがありました。トップ10はすぐそこでした。もちろん結果を残せなくて残念ですが、僕のように数レースだけ参戦するライダーにとっては、このポテンシャルは大きな自信になりました。今日の転倒は、なんの前ぶれもない不思議な転倒でしたが、ほかにも転倒が多かったことを思えば、路面コンディションが難しかったのかも知れません。いいライディングができたし、とてもいいフィーリングがありました。結果は転倒ですが、とてもポジティブです」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「昨日のスプリントレースとコンディションが変わり、とてもタフなレースになりました。路面温度も低く、そのために転倒も多いレースでした。残念な結果に終わりましたが、次のヘレスに向けて気持ちを切り替えたいです。次戦も全力で挑みます」ジョアン・ミル(Repsol Honda Team)「このサーキットでオーバーテイクするのは常に挑戦になります。今日の転倒は、(フランコ)モルビデリ(ヤマハ)とバトルしているときに起きました。転倒しましたがケガはありません。序盤はみんないいグリップがあるので、アドバンテージを見つけるのはたいへんでしたが、今日はとてもいい結果を残せると思っていただけに本当に残念です。しかし、今大会の重要なポイントは、次戦に向けて役立つことを見つけたことです。今までの中で最もいいフィーリングがありました。ヘレスに向けて、引き続き、このフィーリングをキープできるよう、集中して取り組みたいです」
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