2022年 MotoGP(ロードレース世界選手権) 第16戦 日本GPが、9月23日(金)~25日(日)の3日間、栃木県・モビリティリゾートもてぎで開催される。過去2年間は、コロナ禍の中で大会が中止になったが、今年は3年ぶりの開催となる。もてぎでは、1999年に初めて日本GPが開催された。その後、2000年から03年までの4年間は、春には鈴鹿サーキットで日本GP、秋にはもてぎでパシフィックGPと日本で2大会開催が実現。04年からはもてぎだけの開催となり、以後、日本GPの舞台として定着した。
ホンダ勢が3年ぶりのホームGPに挑む日本GPが秋の開催になったのは2010年以降で、シーズン終盤のタイトル決定の一戦として、世界のレースファンの注目を集めることになった。3年ぶりの開催となる今年は第15戦アラゴンGPからの連戦となり、日本GPの後には第17戦タイGPと続き、今季初の3連戦となる。3年前の大会では、日本GPの前に開催されたタイGPでマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が6度目の世界タイトルを獲得、ホンダのホームGPとなる日本GPに世界チャンピオンとして凱旋した。決勝では16年、18年に続き3度目の優勝を達成。さらに、この年はマルケスの大活躍で、日本GPで4年連続25回目のコンストラクターズタイトルを決定し、日本のレースファンを喜ばせた。今年はホンダ勢にとっては、厳しい結果が続いているが、3年ぶりの日本GPでは復活に向けて大きなステップを刻むことが期待される。前戦アラゴンGPで7戦ぶりに復帰したマルク・マルケスは、フリー走行、予選と3か月半ぶりの実戦とは思えない走りを見せた。そして好スタートを切った決勝ではオープニングラップの3コーナーでリアタイヤをスライドさせ、その背後にいた総合首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が、スピードの落ちたマルケスに接触して転倒した。その接触でマシンに不具合が生じたマルク・マルケスは、7コーナーから8コーナーにかけて左側にハンドルを取られるトラブルに見舞われ、左背後にいた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)と接触、中上が転倒するというハプニングの連続に。マルケスは一周目を終えてリタイアし、接触した両選手に謝罪した。今大会、気持ちを切り替えて日本GPに挑むマルケスは、これまでもてぎで多くのファンの記憶に残るレースをしてきた。タイトル王手で迎えた14年は、2位表彰台に立ち2年連続でチャンピオンを獲得。この年は15戦を終えて11勝を挙げるすばらしい走りでホンダとしては初めてホームグランプリでのタイトル獲得となり、ファンも関係者も歓喜に沸く大会となった。16年は再び日本GPがタイトル決定の舞台となり、マルケスはシーズン5勝目を挙げて2年ぶりにタイトルを獲得。17年は雨のレースで総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)とし烈な優勝争いを繰り広げて2位。その後、最終戦バレンシアで2年連続4度目のタイトルを獲得した。18年は、またしてもタイトル王手で日本GPを迎え、シーズン8勝目を挙げて3年連続5回目のチャンピオンを獲得。そして19年は前戦タイGPで9勝目を挙げて6回目のタイトルを獲得し、日本GPでは10勝目を挙げてコンストラクターズタイトルを獲得とホンダのホームGPですばらしいレースを繰り広げてきた。今年は20年のスペインGPで骨折した右腕上腕の再手術から復帰2戦目となり、アラゴンGP同様、右腕の状態を確認しながらの大会となるが、どんな走りを見せるのか大きな注目を集めている。ホームグランプリを迎える中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、前戦アラゴンGPの開幕を前に来季の継続参戦が発表された。今大会は今季最高のモチベーションで挑むことになるが、前戦アラゴンGPのオープニングラップにマルク・マルケスと接触して転倒、その際に右手の小指と薬指を負傷し、大会翌日の20日にバルセロナ市内の病院で手術を受けた。今大会は完全な状態ではないが、開幕前日の木曜日にメディカルチェックを受け、出場許可が下りれば全力を尽くす意気込みだ。これまで中上は、もてぎではMoto2クラスに出場していた17年にPP獲得を果たし、決勝6位。MotoGPクラス初挑戦となった18年は予選12番手。決勝はレース中の接触でコースアウトを喫し、その後、猛列に追い上げて15位でフィニッシュした。19年は右肩を痛めての大会となり、予選13番手、決勝16位だった。ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、前戦アラゴンGPでは、1周目の混乱に巻き込まれてコースアウトする厳しい序盤となり15位。ポイントを獲得するのがやっとのレースだった。今季は開幕戦カタールGPで3位表彰台に立っているが、その後は苦戦が続いている。この数戦は、結果にはつながっていませんが、随所でいい走りを見せており、今大会の走りに期待される。エスパルガロのもてぎでの戦績は、125ccクラスに出場していた09年に3位、Moto2時代には12年に2位、13年に優勝している。最高峰クラスでは、16年の6位が最高位。今年はそれ以上を目標に全力を尽くす。アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、これまでもてぎで3勝している。Moto3時代の13年と14年、Moto2時代には17年に優勝している。最高峰クラスでもてぎを走るのは初めてとなるが、今季ベストを目標に全力を尽くす。アレックス・マルケスは、前戦アラゴンGPでHonda勢最上位の12位でフィニッシュしているが、朝のウォームアップで転倒した際に左手を痛めており、今大会はその影響が心配される。しかし、もてぎは得意なコースだけに、初ライドを楽しみにしている。今大会は、前戦アラゴンGPからの物流の問題で金曜日の走行が午後だけになっている。通常、金曜日はそれぞれ45分間のフリー走行が2回行われるが、今大会は金曜日の走行が1回だけとなり75分間に延長される。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「日本に戻ることができてとてもワクワクしています。今回はHondaのホームレースです。おもしろいサーキットであり、ファンも最高です。もてぎはいろんな天候が予想されるので、どのような天候になるか注目しなければなりません。またスケジュールの変更で、とても忙しい2日半になりますが、アラゴンを終えて体調はいいです。日本の週末を楽しみ、僕たちのやり方で体調が完全に回復できるように取り組みます。そして、マシンの開発の仕事も続けていきたいと思います」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「アラゴンはたいへんでしたが、Hondaのホームへ向かっています。工場を見学し、日本のファンと再会する予定なので、大きな励みになると思います。日本の雰囲気はいつも最高です。僕たちをサポートしてくれるすべての人のために、いいショーにできるように一生懸命取り組み続けます。また、このサーキ...
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