2021年 MotoGP 第13戦アラゴンGPが、9月10日(金)から12日(日)までの3日間、アルカニス郊外にあるモーターランド・アラゴンで開催される。昨年、そして今年と新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大幅にシリーズの日程が変わっているが、アラゴンGPはほぼ例年通りの日程となった。昨年はアラゴンGP、そしてテルエルGPと2週連続でグランプリが開催される変則スケジュールだった。
モーターランド・アラゴンは、スペインGP、カタルニアGP、バレンシアGPに続くスペイン4カ所目のグランプリ開催地で、2010年にアラゴンGPとしてスタートした。昨年は2週連続同所で開催され、モーターランド・アラゴンでは13回目、アラゴンGPとしては12回目の開催となる。モーターランド・アラゴンは1周5.078km。マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキット、タイのチャーン・インターナショナル・サーキット、そしてトルコのイスタンブール・パーク・サーキットなどを手がけたドイツ人デザイナーのヘルマン・ティルケ氏によって設計された。ティルケ氏がデザインしたサーキットは、自然の地形を利用したアップダウンと、バリエーションに富んだコーナーが連続し、リズム感あふれるレイアウトが特徴。モーターランド・アラゴンはこうした特徴に加え、2本の長いストレートを組み合わせたレイアウトになっており、パッシングポイントが多いため、選手たちから高い評価を得ている。これまでHondaは、このサーキットですばらしい記録を残してきた。2010年の初開催から昨年まで、12戦で7勝を挙げている。800ccから1000ccにエンジンの排気量が変わった12年以降、RC213Vは実に6回の優勝を達成している。このサーキットでは、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)が13年にデビューしてから圧倒的な強さを発揮してきた。最高峰クラスにデビューした2013年、16年、17年、18年、19年と5回の優勝を達成。昨年はケガのために出場できなかったが、今年は2年ぶりの大会制覇、そしてアラゴンGP6勝目が期待される。マルケスは、6月の第8戦ドイツGPで復帰後初優勝を達成した。125cc、Moto2時代を含め、2009年以来更新してきた同GPでの連続優勝記録を「11」へと伸ばした。アラゴンGPの開催されるモーターランド・アラゴンは、ザクセンリンクと同じ左周りのサーキット。コーナーの数は、ザクセンリンクが左10、右3なのに対して、アラゴンは左10、右7とかなり特徴の異なるサーキットだが、このサーキットでマルケスはライバルを圧倒しており、16年から19年までは4連勝を達成している。マルク・マルケスにとって2年ぶりとなるモーターランド・アラゴン。昨年、ケガをした右腕と肩の力がまだ100%回復していないため完ぺきな状態ではないが、今季2勝目に大きな期待が寄せられている。前戦イギリスGPでは予選5番手から、オープニングラップで他者に接触するミスを犯して転倒リタイアと悔しい結果に終わっている。今大会はその雪辱に挑む。チームメートのポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)は、前戦シルバーストーンでRepsol Honda Teamに移籍して初のポールポジションを獲得した。決勝は5位だったが、序盤はトップを快走するなど、やっと本来のパフォーマンスを発揮するレースとなった。ポル・エスパルガロもまた、モーターランド・アラゴンで好結果を残してきた。初開催となった2010年には125ccクラス(現在のMoto3クラス)で優勝。2012年のMoto2クラスではマルク・マルケスを抑えて優勝している。ポル・エスパルガロにとって今大会は、完全復帰を目指す大会となる。最高峰クラスでのアラゴンGPのベストリザルトは14年の6位だが、今大会はHonda移籍初表彰台、初優勝に挑む。Repsol Honda Team、そしてマルク・マルケス、ポル・エスパルガロの両ライダーにとっては、スペインGP、カタルニアGPに続く今季3回目のホームGP。両選手ともに、フリー走行、予選、そして決勝とファイトあふれる走りに注目される。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、ベストリザルトに挑む。昨年の大会では、2連戦の2戦目となったテルエルGPでキャリア初のPPを獲得した。決勝はオープニングラップの4コーナーで転倒を喫しリタイアと悔しい結果に終わったが、今年はその雪辱に挑む。中上は、後半戦のスタートとなったレッドブル・リンクの2連戦、シルバーストーンと得意のサーキットで初表彰台獲得を果たせなかった。今大会も得意なサーキットの一つに数えられるアラゴンで、レッドブル・リンク、シルバーストーンのデータをしっかり分析し準備を進めている。チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)は、2年連続表彰台獲得に挑む。昨年のアラゴンGPでは2位表彰台を獲得、続くテルエルGPでも表彰台争いに加わりました。結果は転倒リタイアだったが、2大会連続で好走を見せた。アレックス・マルケスは、13年のMoto3クラスで3位、14年に2位、16年のMoto2クラスでは2位になっている。前戦イギリスGPでは17番グリッドから8番手まで追い上げてリズムをつかんだ。今大会は、まだ果たせていないアラゴンGP初優勝に向けて全力で挑む。マルク・マルケス(Repsol Honda Team)「アラゴンは楽しくレースができるサーキットで、過去にもいい結果を残しています。しかし過去の実績に頼ることはできません。2021年の状況は変わっているので、正しい方向性でアプローチしなければなりません。自分のレベルを認識して、ライバルたちの動向を見極めなければなりません。いずれにしても、2020年は参戦できなかったので、モーターランドに戻ってくることができてとてもうれしいです。ファンのためにいいショーになることを願っています。最近のレースではトップに近づいてきているので、目標は引き続き差を縮められるように取り組み、日曜日に何ができるか考えてがんばることです」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「アラゴンで走るのがとても楽しみです。シルバーストーンの週末はすばらしいものになりました。以前、アラゴンではHondaのマシンに勝てるようにがんばってきました。そして今は僕がHondaに乗っています。どんな走りができるかとても興味深いです。シルバーストーンで力強い週末を過ごしたのでいい形でアラゴンに入ることができます。再びレースをするのがとても楽しみです。力強くシーズンを終えられるように仕事に取り組み、学び続けます」中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「今週末のアラゴンGPがとても楽しみです。昨年は、初めてMotoGPのポールポジション獲得というすばらしい思い出があります。今週...
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