MotoGP スティリアGPからの連戦となった第11戦オーストリアGPのフリー走行は、FP1は青空が広がる絶好のコンディションとなったが、FP2は雹混じりの強い雨が降るウエットコンディションとなった。スティリアGPの初日と同じ展開で、FP1の順位が初日の総合順位となった。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が4番手、チームメートのアレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)が7番手、マルク・マルケス(Repsol Honda Team)9番手、ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)が11番手という結果だった。
前戦スティリアGPを5位でフィニッシュした中上は、今大会も好調なスタートを切った。FP1では前戦スティリアGPの予選でマークした自己ベストタイムに肉薄する1分23秒790をマーク、FP2でさらにタイムを短縮する予定だったが、ウエットコンディションとなりチャレンジができなかった。しかし、スティリアGPよりもウエットでのフィーリングが改善されたことで、手応えのあるセッションとなった。チームメートのアレックス・マルケスもドライコンディションで7番手と、スティリアGPより好調な走りをみせた。これまで新品タイヤのパフォーマンスを引き出せないことが課題だったが、スティリアGPで一歩前進し、連戦となったオーストリアGPでさらに前進することができた。明日のFP3では、今季初のダイレクトでのQ2進出を目指す。右上腕の骨折から復帰して9戦目を迎えるマルク・マルケスは、FP1で9番手だった。前戦スティリアGPでは、予想以上に厳しい走りを強いられた。コースのほとんどが右コーナーのレッドブル・リンクでは、右腕に大きな負担がかかったからだ。今大会はその対策に努めながらペースを上げていった。また、ウエットコンディションでは、快調にラップを刻み、濡れた路面ではトップタイムをマーク。ライン上が乾き始めたセッション終盤に4番手へとポジションを落としたが、完全復活に向けてまた一歩前進する一日となった。前戦スティリアGPで苦戦したチームメートのポル・エスパルガロも、ドライコンディションとなったFP1は手応えを感じるセッションとなった。1セットのタイヤで走行を続けて11番手。大接戦となったフリー走行の中で、連続ラップのペースも悪くはなかった。また、ウエットコンディションとなったFP2でも、乾いてきた路面で8番手までポジションを落とすが、マルケス同様に好ラップを刻み、復調を感じさせた。中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)「4位はいい結果ですが、それ以上に重要なことは、マシンのフィーリングがよかったことです。FP2はスティリアGPと同じように雨が降りましたが、ウエットコンディションでは先週よりずっといいフィーリングで走ることができました。ウエットでは、まだいくつかのポイントを改善しなければなりませんが、ドライコンディションでは順調にセットアップが進んでいるので、予選がとても楽しみです。明日、もっとも重要なセッションはFP3です。このセッションでトップ10にとどまり、ダイレクトでQ2に進まなければなりません」アレックス・マルケス(LCR Honda CASTROL)「オーストリアで2度目となるGPの初日は、最初からすばらしいフィーリングがありました。午後は雨の予報だったので、ドライコンディションのFP1は新品のミディアムタイヤを使いました。チームが完ぺきなプランを立て、タイヤの選択をしてくれました。FP2はハードレインのフロントタイヤをテストするチャンスがありました。明日も最初から速く走らなければなりませんが、今日の結果には満足しています。明日へ向けてモチベーションも上がっています。FP3はQ2へ直接進むために重要なセッションです。予選はいつも厳しい戦いになるので明日は午前中からベストを尽くします」マルク・マルケス(Repsol Honda Team) 今日のプランは、タイムに集中する前に、HRCのためにいくつかの仕事に取り組むことでした。まだ少しハードブレーキングに苦戦していますが、同じようにこのサーキットで苦戦しているライダーがたくさんいます。ウエットになったFP2は、身体のコンディションとスピード面でかなり役に立ちました。初日としてはまずまずの出来でしたが、明日がどうなるか楽しみです」ポル・エスパルガロ(Repsol Honda Team)「全体的にはいい日でした。ドライでは少し前進することができました。FP1ではタイヤを変えず走り続けましたが、ユーズドタイヤでも前進したと思います。FP2ではウエットで2番手タイムを出すことができました。路面が乾いてきたときにポジションを落としましたが、ウエットでは速さがありました。今日はドライでもいい走りができたので満足しています」
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