MotoGP 第3戦アンダルシアGPの予選は、フリー走行で好走を見せた中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が8番グリッドを獲得。今季自身初のシングルグリッドから決勝に挑む。初日のフリー走行で総合8番手につけた中上は、FP2で初のセッショントップタイムをマークし、好調をアピールした。そして、土曜日のFP3で快調にラップを刻み、1分36秒842をマーク。トップから0.258秒差の4番手でQ2進出を果たした。
注目の予選では、1回目のアタックで5番手。2回目のアタックでは、途中経過で4番手につける好走を見せたが、最終コーナーで痛恨のコースアウトを喫し、最終的に8番グリッドとなった。昨年のオーストリアGPにおける6番グリッドという自己ベスト更新の期待が膨らんだだけに残念な結果となったが、上り調子を強烈にアピール。決勝では、昨年のイタリアGPの5位をしのぐベストリザルトが期待される。先週のスペインGPで転倒を喫し、左手首の舟状骨を骨折、バルセロナの病院で手術をして今大会に出場のカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、FP1から着実にタイムを短縮して総合17位。Q2進出を賭けたQ1では3番手へと一歩前進したが、この時点で13番グリッドが確定した。左手首のケガのため万全の体調ではなかったが、あと一歩でQ2進出という走りにスタッフから大きな拍手が送られていた。前戦スペインGPは、朝のウォームアップの転倒でキャンセルした。今大会は今年初の決勝レースとなるだけに、着実にポイント獲得を目指す。MotoGPクラス2戦目となるアレックス・マルケス(Repsol Honda Team)は、初日のフリー走行で15番手。大接戦となった2日目のFP3では総合16番手と1つポジションを落としたが、着実に前進した。そして、予選前に行われるFP4では13番手へとポジションを上げて、Q1突破の期待が膨らんだ。しかし、Q1では、最後のアタックで痛恨の転倒を喫して11番手。この時点で21番グリッドが確定した。ヘレスで2戦連続のレース。着実に前進するアレックス・マルケスの追い上げに期待される。前戦スペインGPの決勝で転倒し、右腕上腕を骨折しながら、今大会に出場を果たしたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、FP3から走行を開始し、このセッションは18ラップをこなして19番手。FP4では10ラップをこなし、16番手へとポジションを上げた。Q1に挑んだマルクは、一度はコースインしたものの、1周を終えてピットへ。右腕の状態が悪いため、以降の走行はせず、決勝レースも欠場することを決めた。次戦チェコGPに向けて治療とリハビリに努める。中上貴晶(MotoGP 8番手)「2日目を終えて、かなりポジティブです。今日も引き続き、日曜日のセットアップに取り組みました。マシンはかなり快適で安定するようになりました。予選最後のアタックは100%の走りでしたが、最終コーナーの進入でうまく止めることができず、グラベルへと出てしまいました。転倒しなかったのはよかったのですが、このコースアウトで期待していた結果を残すことができませんでした。それまでは快調でした。最後のアタックが決まっていれば、4番手か5番手にはなれたと思います。残念ながら8番手でしたが、チームはすばらしい仕事をしてくれました。明日に向けてとてもポジティブです。いいペースがあるので、力強いレースができると思います」カル・クラッチロー(MotoGP 13番手)「この体調でMotoGPの予選に挑むのは、とても難しいことだと思っていました。しかし、LCR Honda CASTROLとHondaがとてもいいマシンを準備してくれたおかげで、数周を走行することができました。感謝しています。フリー走行ではマシンのフィーリングがあまりよくありませんでした。予選でも同じでしたが、その理由の一つは全力で攻めの走りができなかったからだと思います。明日の決勝は、いいスタートを切って、いい走りができることを願っています。レースでは、自分のポジションを知ることが重要になります。それができれば状況をうまくコントロールできると思います。このサーキットを25周するのは簡単ではありません。でもチームやスポンサー、そしてマニュファクチャラーのためにベストを尽くします」アレックス・マルケス(MotoGP 21番手)「ユーズドタイヤのフィーリングはとてもよくて、FP4はとてもポジティブでした。しかし、新品タイヤで走った予選ではたくさんミスをしてしまい、最初のグリップを最大限生かすことができませんでした。この点を克服するためにしっかり取り組まなければなりません。なぜならMotoGPクラスでは予選がとても重要だからです。それでもレースペースがいいのはうれしいです。転倒は高速コーナーだったので、最初は腕が痛みましたが、明日にはよくなっていると思います。明日のプランは前進することです」マルク・マルケス(MotoGP 22番手)「難しい1週間でした。先週の日曜日からいろいろなことがありました。あの日は『来週もがんばってレースで走ります』とは言えない状況でした。でも、走りたいという情熱はありました。なにかを達成するために打ち込んでいるものがあれば、少なくとも実行してみなければ分かりません。手術が終わって、ヒジが動くことが分かり、力も出ました。腕立て伏せもできました。もちろん痛みはありましたが、我慢できる程度でした。そのあと、Hondaとすべての選択肢について話しました。そして、土曜日になにができるのかを見てみようということになりました。医師に状態を見てもらいながら、自分の身体と向き合いました。今日の午前中は、いいフィーリングがあり、進歩もあってうれしく思いました。しかしタイムアタックをしようと思ったときに安定性がありませんでした。それは、アグレッシブに走ろうとしても腕に力が入らなかったからです。暑さでむくんでいるせいなのかどうかは分かりませんが、自分の体に聞いてみる必要があると感じました。それからRepsol Honda TeamとHRCと話をしましたが、僕の決断を常に尊重してくれた彼らに感謝したいです。医師、理学療法士、そして夢を追いかけるためにサポートしてくれた親しい人たちにもお礼を言わなければなりません。残念ながら明日はレースができませんが、ブルノではサーキットに戻ります。チャンピオンシップを戦えるように、できることはすべてやり続けたいです」
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