F1モナコGPの開幕を翌日に控え、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)、ガブリエル・ボルトレト(キック・ザウバー)が公式記者会見に登壇。予選の重要性が語られるこの舞台で、3人はそれぞれの視点からモナコへのアプローチやレース展開の鍵を語った。フェルスタッペンは「モナコでの予選は常にリズムとの戦い」と冷静に分析しつつも、2ストップ義務化に対して「展開を狂わせる可能性もある」と警戒を示した。
一方、ここ数戦で好調のアルボンは「トップチームとの戦いを楽しめている」と手応えを口にし、ボルトレトは「F1マシンで走るモナコは夢だった」と高揚感をあらわにした。また、2026年の新規則に向けた準備や、フェルスタッペンとボルトレトの“兄弟のような関係”にも話題が及び、和やかな一幕も。進化を続けるマシンとシーズンの行方を左右する週末を前に、3人の言葉にはそれぞれの現在地と未来への意志がにじんでいた。Q:マックス、まずあなたから。モナコというイベントの特別さはどこにあると思いますか?フェルスタッペン:予選でこのサーキットを攻略するのがとにかく難しい、ということだと思う。その中で限界を引き出す。それに、日曜のレースではオーバーテイクが難しいから、予選がさらに重要になる。ものすごく狭くて、チャレンジングで、路面もバンピーだしね。そしてもちろん、モナコという場所の歴史も特別。このレースは、誰もが勝ちたいと思う一戦なんだ。ここでレースできること自体が本当に特別だし、正直、ちょっと狂ってる。でも表彰台の一番上に立ったとき、「最高の週末だった」と思えるよ。「やったぞ!」って感じになる。Q:イモラでは素晴らしい週末でした。マシンの進化も感じられますが、モナコで3勝目は狙えそうですか?フェルスタッペン:うーん、マイアミとイモラの平均を取ると、そこまで良くは見えないね。だから冷静でいないと。イモラはすごく良かったけど、「週末全体」で見ると、金曜日はひどかった。マシンについてもっと理解を深める必要があるし、セッティングでもう少し詰めたい。ここは全然違うサーキットだし、今シーズンを見ても、僕たちが本当に競争力を発揮できているのは高速コーナーが中心の場所だけ。モナコはその逆だから、今週末はちょっと慎重な気持ちでいるよ。たとえマシンが良くても、ここで予選を完璧にまとめるのは本当に難しい。明日どうなるかを見てから考えるしかない。今のところ、自分たちがどの位置にいるのか全く分からない。過去を見ても、ストリートでは特に強くはなかったしね。それを少しでも変えられたらいいけど、どうなるかはまだ分からない。Q:チャンピオンシップについても聞かせてください。シーズンの3分の1が終わって、オスカー・ピアストリに22ポイント差。マクラーレンとの戦いで、本気で戦えているという実感はありますか?フェルスタッペン:実感というより、結局はレースごとの結果次第だよ。毎戦改善を目指して全力でやっている。いろんなことが起こる可能性はある。去年の今ごろなら「問題なく勝てる」と言ってたと思うけど、実際にはその後でいろんなことが変わった。今シーズンも簡単に行くとは限らない。まだ改善すべきところがあるけど、それは大丈夫。改善点を見つけようとしてるところだよ。Q:モナコはあなたにとってのホームレースのようなものでもありますが、お子さんのリリーちゃんはサーキットに来ますか?フェルスタッペン:いや、家にいた方がいいね。彼女にとってもその方が落ち着けると思う。Q:アレックス、あなたにも。まずは昨夜のF1映画の試写会についてどう思いましたか?アルボン:ああ、それならマックスに聞いた方が…(笑)。でも、すごく良かったよ。バランスが取れてると思う。正直、細かいところが気になっちゃうけど、単純に「映画」として楽しむのがいいと思う。あなたも観てたよね?僕はハリウッドとF1の両方の要素をうまく融合させていたと思うよ。Q:ガブリエル、あなたの感想も聞かせてください。ボルトレト:とてもハリウッド的だったけど、それが良かったと思う。F1をあまり知らない人たちにとっては、すごくいい入門になる。僕たちドライバーにとっては日常の世界だけど、そうじゃない人たちにとっては新鮮で面白いはず。細かいところは分かるけど、それでもスポーツにとってはすごくいいこと。もっと多くの人がF1を知って、関わってくれると思う。Q:アレックス、イモラでのレースについて。かなり攻めて走っていたように見えましたが、あれはウィリアムズでのベストレースだと思いますか?アルボン:うーん、ベストレースとは言えないかな。正直、週末を通してずっと後手に回ってた感じだったし、マシンにあまりフィーリングがなかった。だからこそ、それでもP5でフィニッシュできたのは意味が大きい。ここ数戦、僕たちは明らかに進歩している。通常は土曜の予選が良くても、レースになるとトップ勢との差が開くけど、最近はその差が小さい。フェラーリやメルセデスと同じ位置で戦えているのがすごく楽しいよ。トップチームと本気で競い合えるっていうのは、今までになかったことだから。Q:最近の好調はサーキットごとの特性によるものでしょうか?それとも、どこでも通用するレベルに達したと思いますか?アルボン:興味深いところなんだよね。マイアミは合うと分かってたけど、イモラは予想外だった。セッティングは少しずつ変えてきたけど、あそこまで速くなるとは思ってなかった。だから、モナコでも同じくらい速くても不思議じゃないって思える。でも、前の2戦だけが良かっただけかもしれないから、慎重な楽観ってところだね。Q:ガブリエル、あなたにもお聞きします。前戦のサウバーはペースが良く見えました。今週末のモナコでもそれが再現できると思いますか?ボルトレト:ちょっと自信はないですね。マイアミでは少し良かったと思います。Q1ではある程度の余裕を持ってQ2に進めた。でもイモラは僕たちにとってベストなサーキットではなかった。Q2には進めたけど、正直なところ言えば、角田選手がクラッシュして、ベアマン選手はラップを抹消された。だから純粋な予選ペースが良かったというわけではない。レースペースは少し良くなっていたけど、チャンスを最大限に活かすことができず、結局ポイントは取れなかった。とはいえ、少しずつ前進しているのは確かだと思う。バルセロナでは新しいアップグレードもあるし、そこではもう少し期待できるかもしれない。Q:昨年のF2モナコでは表彰台に立ちました。F1マシンでこのサーキットを走...