ミシュランは、F1よりもフォーミュラEと世界耐久選手権(WEC)の方が“リスク”を冒すには適切なカテゴリーであると考えている。2014年のフォーミュラEの初シーズンからタイヤを供給しているミシュランは、昨年12月に同シリーズへのタイヤ供給契約を2020/21シーズン末まで延長した。
ミシュランは、フォーミュラEにドライとウェットの両方のコンディションで使用できるオールウェザータイヤを供給している。また、WECには2012年からトレッド面に溝がないにもかかわらずある程度のウェットコンディションにも対応する「ハイブリッド・インターミディエイトタイヤ」を供給している。ミシュランのモータースポーツディレクターを務めるパスカル・クアスノンは、WECがオールウェザータイヤの“次の場所”になる可能性があるとし、F1よりもフォーミュラEとWECの方が革新的なタイヤを開発することに適していると考えている。WECへのオールウェザータイヤ導入の可能性についてパスカル・クアスノンは「それは主催者と話し合う必要のあることだ」と Autosport にコメント。「リーダーとして、我々はリスクを冒すのが大好きであり、我々はそれを続けていきたいと思っている」「我々は長年にわたってF1と18インチタイヤについて話し合ってきた。2010年からだと思う。だが、我々はそのようなリスクを冒すことを当事者に納得させることができなかった」「それらのコンセプトにはWECに導入した雨天で機能するスリックタイヤというかなりクレイジーなものもあったが、それは機能している。それが我々が大好きなことだ」パスカル・クアスノンは、オールウェザータイヤを優先させたフォーミュラEは、サスティナビリティと市販車との関連性に関する共通のメッセージを唱えているとし、オールウェザータイヤへのフォーミュラEのコミットメントは、ミシュランが関与し続けるために“非常に重要”なことだったと付け加えた。「我々はこのコンセプトを他のシリーズに導入していくつもりだ。なぜいけない?」「リスクを冒すためには他の当事者を見つける必要がある。モータースポーツはショーであり、技術面で適切なカーソルを見い出す必要がある」「オープンホイールカーに18インチタイヤを初めて導入し、未知のものをテストするには完璧だった。うまくいっているし、今後も続けたいと思っている。昨シーズン、ミシュランはフォーミュラEに約5kg軽量で転がり抵抗を減らして効率を改善させた“バージョン2”のオールウェザータイヤを導入した。パスカル・クアスノンは、フォーミュラEはミシュランと同じ“精神”を持っており、優れたテストベットを提供してくれたと語る。「驚くほどのことではないかもしれないが、1kg以上軽いタイヤでも同じパフォーマンスを発揮している。トン数で言えば、一年でかなり多くの材料を節約することができる」
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