メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、フォーミュラEへの参戦はテスラのような企業の急激な成功を目の当たりにし、フォーミュラEに関与せずにその成長を見ていることは弊害をもたらす可能性があると考えたためだと述べた。先月、メルセデスは2018年を以てDTM(ドイツツーリングカー選手権)を撤退し、2019年(シーズン6)からフォーミュラEに参戦することを発表した。
メルセデスはフォーミュラEで、アウディ、BMW、ポルシェというドイツの大手自動車メーカー、ルノー、ジャガー、DSシトロエンと競うことになる。トト・ヴォルフは、テストを例に挙げ、メルセデスがフォーミュラEに参戦するという決断が、市販車市場における電気自動車の急成長によって正当化されたと述べた。「フォーミュラEがどのように発展していくかは私にはわからない。世界が急速に変化を遂げ、モビリティが変化しているときに、将来がどの場所に向かうかを予測するのは非常に難しいことだ。大手の技術プレイヤーでさえ、正しいことをするために本当に多くのことを行っている」とトト・ヴォルフはコメント。「5年前の立ち上げ時、テスラは大きなバッテリーを積んだロータス・エリーゼだった。今日、テスラは重大な自動車メーカーになっている。なので、我々にとってフォーミュラEはエキサイティングなスタートアップだ。特性をもったイベントだ」「伝統的なモータースポーツがやっていることとは全く異なるオーディエンスを引きつけている。我々は戦略においてグローバルなプラットフォームをカバーしている。それはF1だ。我々はフォーミュラEがスタートから今日に至るまでの全ての道筋を学んでいる。それがどのように発展しているかを学んでいる。もしかすると、それはロータス・エリーゼが5年で真のモータースポーツプレイヤーになったかを学ぶことかもしれない」「それはダイムラー全体に少し似ている。我々は世界でナンバー1の自動車メーカーであり、その一方でクルマを走らせに行っている。両方のことをやっていくためには十分に柔軟な考え方が必要だと思っている」