F1でのライバルであるマックス・フェルスタッペンに続き、トト・ヴォルフも世界耐久選手権(WEC)の根幹にある「ある原則」に嫌悪感を示した。4度のF1世界王者であるフェルスタッペンは、GTカーやトップカテゴリーのプロトタイプマシンでレースをする将来を視野に入れていることを、近年ますます明確にしている。
レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、27歳のフェルスタッペンがフェルナンド・アロンソのように40代までF1を続けるつもりは「絶対にない」と語った。「F1を辞めたら、彼はおそらくル・マンに関心を持つだろう」とマルコはオーストリア紙『Kleine Zeitung』に語った。「そして、彼がさらに興味を持っているのがニュルブルクリンク24時間レースだ」「だが、あれは茶番だ。今の彼にはトップカテゴリーのクルマでレースをすることが許されていない。ドイツのレギュレーションは、彼が4度の世界王者であることも、初テストでたった3周でラップレコードを更新したことも考慮しない」「彼に特例は認められない」とマルコは続けた。「2回のテストか2戦の出場が求められるが、彼はそれをやるだろう」ル・マンについても、フェルスタッペンは「最高峰クラスで戦えること」が参戦の条件だと明言している。つまり、ハイパーカーやLMDhといったプロトタイプカテゴリーだ。しかしオランダ人の彼は、そのクラスに導入されている「性能調整(BOP)」ルールを好ましく思っていない。「今のところ、僕が参戦するにはまだ早いと思う」とフェルスタッペンは最近語った。「新しいレギュレーションが導入されたばかりで、BOPの制度はもっとしっかり整備される必要がある。今はちょっと当たり外れが大きすぎると感じている」またフェルスタッペンは、自分がフル装備で80kgあることから、「より軽いドライバーには全く太刀打ちできない」とも述べている。「そこには制限が必要だと思う。1ラップあたり数コンマ秒の差になるからね」現在、フェラーリとアルピーヌがWECの最上位カテゴリーで戦っており、マクラーレンも2027年からの参入を計画している。ではメルセデスはどうか? F1チームの代表で共同オーナーでもあるトト・ヴォルフも、フェルスタッペンと同様にBOPルールに否定的な見解を示している。「我々は膨大な時間と資金、労力を費やして最速のクルマを開発する。そしてその結果、10kgのバラストを積まされるなんて話になる」とヴォルフは『Bloomberg』に語った。「私がやりたいのは、ただ最速のクルマを作ることだ」ヴォルフはまた、ル・マン中心のこのカテゴリーをより魅力あるものにするためには、F1のような予算上限制度を導入することが鍵になると主張する。「もちろんF1にもレギュレーションは存在するが、我々には予選やプレシーズンで“はったり”をかます必要がない。本気の戦いがある。手加減なしの、純粋なレースだ」「もしWECでもそうした形が取られるようになれば、ル・マンは間違いなく我々が注目する対象になるだろう。だが今のところ、BOPのように“あなたのクルマは速すぎる”と誰かが判断し、10kgの重りを加えたり他車から取り除いたりするような制度は、我々にとって魅力ではない」「現時点では、我々が集中しているのはF1という主要なプラットフォームだ。それが観客の99%を惹きつけており、他のすべては二の次だ」
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