メルセデスF1は、W16の開発ペースをさらに加速させる構えだ。技術責任者のジェームズ・アリソンは、今後数戦で「より明確に外から見える」アップグレードが導入されることを明かした。今季、メルセデスは過去4年間で最も好調なスタートを切り、コンストラクターズランキングでは2位につけている。ただし、首位マクラーレンとはすでに100ポイント以上の差がある。
とはいえ、マイアミGPまでの段階で小規模ながらも一貫してアップグレードを投入しており、特にタイヤの温度管理に焦点を当てた開発が続けられている。「見た目にも分かる変化が出てくる」とアリソンマイアミGP後に公開された公式YouTubeのデブリーフ動画で、アリソンは次のように語った。「実のところ、我々は開幕からアップグレードを投入してきた。FIAの文書に載るような“大型”ではなかったが、既存設計を軽量化したパーツなどを“地味に”加えてきた」「ただ、次の数戦では、ファンやライバルの目にも明らかに分かるようなアップグレードがいくつか登場する。それによって我々の運が開ければと思っている」さらにアリソンは、連戦が続く過密スケジュールの中でアップグレード開発を進める難しさについても言及した。「シーズンの4分の1がすでに過ぎた。ここまでレースが矢継ぎ早に続くと、アップグレードを準備するのは本当に大変だ」課題は“レースペースとタイヤ管理”今季のメルセデスは、予選では一発の速さを発揮しているものの、決勝ではタイヤマネジメントに苦戦している。この点は、同分野で強みを持つマクラーレンに対して明確な弱点となっている。「予選では毎回そこそこの位置につけているし、アップグレード次第ではさらに上位も狙えるかもしれない」とアリソンは語る。「ただし、何よりも我々が取り組むべきは決勝でのペースだ。土曜に見せた“約束された速さ”を、日曜に確実に実現しなければならない」「その鍵はタイヤの温度管理にある。マシンが本来持っている速さをレース中にも活かせるようにする必要がある」