メルセデスF1は、スクーデルア・アルファタウリから解雇された元リザーブドライバーのニック・デ・フリースがチームに戻ってくることを「歓迎する」と語った。FIAフォーミュラ2およびフォーミュラEのチャンピオンは、ダニエル・リカルドの復帰を優先するため、フルタイムのルーキーF1シーズンが始まってわずか10レースでレッドブルから解雇された。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、デ・フリースがチームメイトの角田裕毅に匹敵するのに苦戦する中で「我々を驚かせるようなスーパーラップはひとつもなかった」と振り返った。デ・フリースはソーシャルメディアに「もちろん、長い間夢見ていたF1のチャンスが早々に終わってしまったことは辛い。でも、人生は目的地ではなく旅であり、時には自分の望む場所にたどり着くために険しい道を歩まなければならないこともある」とSNSに投稿している。デ・フリースが選択肢を考える一方で、メルセデスF1のエンジニアリングディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、28歳のオランダ人ドライバーがリザーブドライバーとしてブラックリーに戻ってくることは「歓迎」されると述べた。しかし、彼はデ・フリースが脚光を浴びない仕事をするよりも、レースの最前線に戻ることを切望するだろうと同氏は考えている。デ・フリースのメルセデスF1復帰の可能性について質問されたショブリンは「ニックはシミュレータードライバーになること以上のことを求めているだろうしレースをやりたがっているはずだ」と語った。「彼とはまだメールでしか話していないけど、計画がどう進んでいるかはまた知らせてくれると言っていたよ」「彼は確かにその役割で我々にとって非常に有用だったし、その役割に戻ってくるのは歓迎すべきことだ。だが、彼の焦点はレースシートを見つけることではないかと思う」「F1でなくても、他の競争力のある大きなシリーズでもいい。F2チャンピオンであり、勝つのが非常に難しいフォーミュラEのチャンピオンでもある」「彼は再び勝利のシートに座るために振り返ることになるだろう」メルセデスでフォーミュラEのタイトルを獲得したデ・フリースは、2020年から22年にかけてテスト兼リザーブドライバーとしてF1チームと契約していた。また、パワートレインのカスタマーチームであるウィリアムズ、アストンマーティン、マクラーレンでも同じ役割を務めることも決まっていた。そして、アレックス・アルボンが虫垂炎で戦列を離れたとき、デ・フリースはウィリアムズから2022年イタリアGPに出場して、9位を獲得して感銘を与えた。その後、メルセデスはデ・フリースに代わって元ハースのミック・シューマッハを起用。W14のテストとチームのシミュレータ作業の大部分を実行している。デ・フリースが解雇されて以来、彼はメルセデスのモータースポーツボスであるトト・ヴォルフと一緒にいるところを写真に撮られている。