メルセデスのF1チーム代表を務めるトト・ヴォルフは、セバスチャン・ベッテルがフェラーリF1を離脱するいう状況を考慮して、2021年のメルセデスF1のドライバーラインナップを決定する必要があると語った。フェラーリは、2020年末で契約期間が満了するセバスチャン・ベッテルとの契約を更新しないことを決断。4回のF1ワールドチャンピオンであるベッテルは今季限りでフェラーリF1を去ることが発表された。
この発表を受け、メルセデスのF1チームを務めるトト・ヴォルフは「セバスチャンは素晴らしいドライバーであり、一流のパーソナリティを兼ね備えている。あらゆるF1チームにとって資産となる」と語る。現在、メルセデスF1は6回のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンと新しい契約について交渉している。「未来に目を向けるとき、我々の最初の忠誠心は現在のメルセデスドライバーにあるが、当然ながら、この状況を考慮に入れなければならない」とトト・ヴォルフは語った。ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスはいずれも今シーズン末でメルセデスとの契約が期限を迎える。35歳のルイス・ハミルトンはフェラーリF1移籍が絶えず噂されてきたが、ミハエル・シューマッハの史上最多記録更新を目指すハミルトンはすでにフェラーリF1からのオファーを断り、ダブルタイトルを6連覇中のメルセデスF1残留を心に決めていると報じられている。セバスチャン・ベッテルが獲得可能になったという事実は、少なくとも給与交渉において、メルセデスにいくつか有利な手札を与える可能性がある。2017年からメルセデスのF1ドライバーを務めるバルテリ・ボッタス(30歳)は、昨年ドライバーズ選手権を2位で終えており、ルイス・ハミルトンのチームメイトとしての役割をうまくこなしている。それは2016年にF1ワールドチャンピオンを獲得した直後に引退した元チームメイトのニコ・ロズベルグとルイス・ハイルトンとの緊張関係とは完全に対照的だ。ブラウンGPを買収して2010年からコンストラクターとしてF1に復帰したメルセデスは、F1がパワーユニット時代に突入した2014年から競争力を増したため、ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグの友好的な関係は崩れた。ルイス・ハミルトンは、F1引退を発表したミハエル・シューマッハの後任として2013年にメルセデスに加入し、5回のF1ワールドチャンピオンを獲得している。メルセデスはまた、ウィリアムズのF1ドライバーを務めている2018年のF2チャンピオンであるジョージ・ラッセルと将来的なドライバー候補として長期契約を結んでいる。関連:セバスチャン・ベッテル、今季限りでのフェラーリF1離脱を正式発表