マクラーレンF1のCEOであるザク・ブラウンは、ライバルチームに引き抜かれるのを防ぐために、ランド・ノリスと新契約を結ぶことがチームにとって「次の優先事項」であると主張している。F1での初勝利はまだないものの、ノリスはグリッド上で最も完成されたドライバーのひとりであり、尊敬されるチームリーダーとしての地位を確立している。
このレギュレーションサイクルの初期にチームは苦戦したにもかかわらず、2022年初めにレッドブルからの関心を避け、マクラーレンと3年の契約延長を結んだ。ノリスは昨年、その忠誠心が報われ、マクラーレンのシーズン中盤の目覚ましい好転によって7回の表彰台に立ち、キャリア最高の205ポイントを獲得した。しかし、ノリスの現在の契約は2026年に予定されているF1技術ルールの見直しまでに満了を迎え、その段階でメルセデスの両シートやレッドブルのマックス・フェルスタッペンと並ぶ2番手ポジションなど、トップチームの空席がいくつか出てくる可能性がある。昨年、印象的なルーキーシーズンを過ごした後、オスカー・ピアストリと2026年まで契約を結んだブラウンは、ノリスの長期的な将来を確保することが今の優先事項になっているかどうか尋ねられた。「そうだね、次の優先事項だと思う」とブラウンはSpeedcafeに語った。「優先順位はたくさんあるし、ランドに関しては確かに時間はあるが、彼はピットレーンの上下にいる誰もが望んでいるドライバーだ」「ルイスはあとどれくらい走るのか?メルセデスはどうするつもりなのか?セルジオ(ペレス)はあとどれくらい残るのか?」「確かに、他の3つのビッグチームは、おそらく25年以降のドライバーラインナップについては明らかになっていないだろう」「そして、ランドのパフォーマンスを考えれば、彼は誰にとってもリストのトップだろう」今年後半にドライバー市場が本格化する前に契約を完了する可能性はあるのかと質問されたブラウンは「もっと早くだ...市場はすでに動いていると思う」と答えた。昨年、マクラーレンは2030年末までメルセデスエンジンを搭載し続けることを発表。ブラウンはマクラーレンがドイツ勢の2026年の新しいF1パワートレインに「より大きな影響力」を持つことになると明かした。ブラウンはF1新時代に向けたマクラーレンの展望に自信を持っており、それがノリスとの交渉において重要なセールスポイントになると考えている。「ランドと我々は素晴らしい関係にあると思う」とブラウンは付け加えた。「26年は全員にとってリセットする素晴らしい機会だと思うし、26年に向けて、他のチームに対して我々が持っていないものは何もない」「彼はチームメイトとの環境にとても慣れている」「26年シーズンに向けて、誰がそれを成し遂げられるか考えてみると、成し遂げられると言えるのは4、5チームあり、我々もそのうちの1つになるだろう」センセーショナルな復活を遂げる前、マクラーレンは冬の間にMCL60マシンの開発目標を達成できず、2023年キャンペーンをポイント獲得すらままならない状況で迎えていた。ブラウンは、もしマクラーレンが今のような形でシーズンを変えることができなかったとしてら、ノリスが離脱の意思を示していれば理解できただろうと認めた。「もし今年の初めに通った道を続けていたら、ここで運転したくなかっただろう」とブラウンは認めた。