マクラーレンのCEOを務めるザク・ブラウンは、今年のインディ500の失敗からインディカーにフル参戦することを価値を再評価せざるを得なくなったと語る。マクラーレンは、今年のインディ500にマクラーレン・レーシングとして参戦したが、予選敗退という屈辱を味わった。その際、ザク・ブラウンは2020年のインディカーへのフル参戦については消極的な発言をしていた。
批判家は、2017年のマクラーレン・ホンダ・アンドレッティのようなパートナーシップを組むことなく、インディ500を1戦限りのオーバルレースとし捉えたアプローチが失敗を招いたと非難している。ザク・ブラウンは、企業としてのマクラーレンが次にどのようなアプローチを取ることがベストかについて思考法を変えなければならなかったと語る。「まだ進行中の仕事という側面が大きい。今年のインディで我々は何をしなけれればならないかを十分に学んだ」とザク・ブラウンはコメント。「あの出来事で現実を突きつけられた。プロジェクトをまとめるに差に私は多くのミスを犯した。インディに行きたい理由は今も変わらない。失敗した場合、そこから学び、成長することが必要だ」 「もうやめだと投げ出すのは簡単だが、人生はそうはいかない。埃を振り払って、再度挑戦しなければならない。それについても活発に検討している」 「言うまでもないが、次は今年とは違う形で臨むことになる。そして、もしやるならば1度限りのものとしてではなく、フルタイムをベーストとして取り組みたいという考えになりつつある」 「やってみてわかったことだが、それはかなりの難関だ。少なくとも単体で挑もうとしたのはあまりに無謀だったと言える」 ザク・ブラウンは、マクラーレンがインディカーにフル参戦する場合、ドライバー候補のトップはやはりフェルナンド・アロンソだと語る。昨年、F1を離れたアロンソは、トヨタとル・マン24時間レースとWECタイトルを獲得した後、来季の活動については白紙となっている。「我々がインディカープログラムをやるなら、是非、彼に加わってもらいたい。彼もそれを望むならだがね」とザク・ブラウンはコメント。「彼は来年何をするかまだ決めていないようだ。彼にとって来年のカレンダーがレースで埋まっていないというのは17~18年ぶりのことだろう。だから、夏休みを使って自分が何をしたいのかをゆっくり見直すことになるはずだ。だが、我々がインディカーでレースをすることになり、彼がやりたいと言うならば、もちろん我々のリストの最上位は彼だ」 「我々としてもスポットライトを外れたくはない。フェルナンドは注目の的になるだろうが、我々マクラーレンも注目されるはずだ。だから、『あまりプレッシャーのかからないドライバーにしよう』などと考えることはない」「フェルナンドであれ、別のドライバーであれ、我々がインディカーに参戦する場合、それはレースに勝つためだ。その原動力が変わることはない」だが、フェルナンド・アロンソは、インディカーへのフル参戦には消極的な発言をしている。ザク・ブラウンも「彼からフルシーズンには出たくないと言われている」と認める。「だが、20年ぶりに2週間もレースカーをドライブせずに過ごしたらどうなるか見てみようではないか! 個人的にはきっとインディカーを楽しんでくれると思う。今はそうしたくないと私には言っているがね・・・」 「彼はどれだけのコミットメントが必要なのかをわかっている。アメリカに拠点を移すなど、いろいろと準備が必要になるし、誰もが知っているようにフェルナンドは全力でやるか、全くやらないかというはっきりした人物だ。これだけ長くレースをしてきた彼だから、少し休んで考えるのも機能的なだと思う」