マクラーレンF1チームやトヨタのWECチームにブレーキを供給する曙ブレーキが1月30日(水)、私的整理の一種である事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)制度の利用を申請したと発表した。曙ブレーキは、組織の抜本的な改革や生産施の改善、収支構造の改革などを通して北米事業の立て直しを図ってきた。しかし、米国メーカーの乗用車生産からの撤退や次期モデル用ブレーキ製品の受注を逃したことで課題が生じたとしている。
発表によると、2月12日開催予定の第1回債権者会議で全ての取引金融機関に対し、事業再生計画案の概要説明するという。日本経済新聞は、曙ブレーキが「トヨタ自動車株式会社に増資引き受けなどの支援を打診した」との報じたが、同社は「報道内容は当社として発表したものでは無く、またそのような事実はございません」と否定している。曙ブレーキは、2007年よりマクラーレンF1チームのオフィシャルサプライヤーとしてブレーキを供給し、世界最高峰のモータースポーツフィールドにおいて高性能への挑戦を続けてきた。2014年にはパートナーシップ契約を強化し、マクラーレンのテクノロジーパートナーとなった。2018年も引き続きテクノロジーパートナーとして、マクラーレンの2018年F1マシン『MCL33』にブレーキキャリパー、マスターシリンダー、ブレーキバイワイヤ油圧ユニットを供給していた。また、FIA世界耐久選手権(WEC)では、2012年よりトヨタに2013年よりブレーキキャリパーを供給。今回は2018年も改良型「TS050 HYBRID」にブレーキキャリパーを供給し、ル・マン24時間レースを制している。
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