マクラーレンの最高経営責任者を務めるザク・ブラウンは、3つのF1チームがチームの公式リザーブドライバーであるランド・ノリスの獲得を狙っていると語る。今月初め、トロロッソ・ホンダがブレンドン・ハートレーの後任候補として、ランド・ノリスのローン移籍をオファーしたことが明らかになった。だが、トロロッソ側からの提案は今シーズン以降の起用も条件とされていたため、マクラーレンはオファーを断ったとされている。
現在、ドライバーを務めるフェルナンド・アロンソは来季の去就を明らかにしておらず、ル・マン24時間レースで勝利したことで、F1を引退してインディカーに転向することが噂されている。その場合、マクラーレンはランド・ノリスをF1シートに昇格させることを計画していると考えられている。しかし、ザク・ブラウンは、条件が適切であれば、ランド・ノリスに他チームで経験を積ませることに反対はしないと語っている。「ランドが経験を積む機会があれば、我々はそれを検討するだろう」とザク・ブラウンは前戦カナダGPが開催されたモントリオールで語っていた。そして、ザク・ブラウンは、その適切な条件が何かを探っているのはトロロッソ・ホンダだけではないと明かした。「複数のチームが我々にアプローチしてきた。程度は様々だが3つのアプローチがあった」とザク・ブラウンは Autosport にコメント。「今年が含まれているものもあった。だが、我々は彼をF2に集中させたいと思っているし、マクラーレンに留めておきたい」「それが彼のキャリアにとって、そして、マクラーレンにとって良いことであると感じれば、我々はケースバイケースでそれを検討していくだろう」「だが、全てのアプローチが彼がチームを去ることを意味するものだった。我々はそのような会話には興味はない。それは交渉不可能なことだ」「我々は他チームのために彼を訓練させるつもりはない。他チームが我々のために彼を訓練することに興味を持っているなど考えられない」レッドブルとフェラーリは、それぞれトロロッソとザウバーというジュニアチームを有しており、メインチームに昇格させる前にジュニアドライバーにF1で1~2年の経験を積ませることができる。メルセデスはジュニアチームを持っていないが、エンジンカスタマーのチームとの契約によって、エステバン・オコンやパスカル・ウェーレインといった育成ドライバーに経験を積ませている。マクラーレンにはそのような環境はなく、F1昇格の可能性がない状態で若い才能を留めておくことに問題を抱えている。ストフェル・バンドーンは、F1にフル参戦する前に1年間日本のスーパーフォーミュラに送り込まれた。ザク・ブラウンは、そのような状況は理想的ではないと語る。「我々には姉妹チームがない。それはFIAがチームが他チームにどれくらいの影響を持っているかを詳しく調べる必要があることを示していると思う」とザク・ブラウンはコメント。「彼らがやっていることは、どこにも属さない人々の可能性を狭めている」