マクラーレン・ホンダは、F1 第7戦 カナダGPでの厳しいレース週末を予想している。スペインGPではフェルナンド・アロンソが予選7番手、モナコGPでは2台揃ってQ3進出と両グランプリで投入された空力アップデートは励みになるパフォーマンス向上をもたらした。また、今回のF1カナダGPでは、インディ500で目覚ましい活躍をみせたフェルナンド・アロンソがマクラーレン・ホンダのF1マシンに戻る。
しかし、第7戦の舞台となるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、フルスロットル率の高い複数のストレートとストップ&ゴー特性により、現在の弱点であるパワーユニットの性能が大きく要求されることもあり、厳しい戦いが予想される。フェルナンド・アロンソ「ここ最近は、北米で過ごす時間が長かったので、カナダでのレースも楽しみにしているよ! 「インディ500は、他と比べようのないくらい素晴らしい体験だった。F1とは全く異なるドライビングスタイルとサーキットレイアウト、そしてマシンを経験できたことにも感動しました。ただ、僕は再び“本職”であるF1へ戻る準備も万全だ。例年、カナダGPを楽しんでいる。マシン、ドライバーともに負担が大きい独特なサーキットで、本物のレーサーであるかが試されるコースだ。インディ参戦中も日々モナコGPのニュースをチェックして、ストフェルとジェンソンの好結果を把握していた。新たなアップグレードの感触が良く、信頼性も向上しているということだと思うので、カナダでさらに一歩前進できることを願っている。ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのレイアウトは、いわゆるパワーサーキットで、マシンパワーと直線スピードに成績が左右される。モナコのような低速でコーナーの多いコースほどは、僕たちのマシンとの相性が良くないと思うが、MCL32へまた乗れることにワクワクしている。チームメンバーと再会し、今度は左回りだけでないコースに戻れるからね!」ストフェル・バンドーン「モナコでは、チーム全員にいろいろなことが起きた。マシンの感触は本当に良く、限界までプッシュできるパッケージだと感じたし、チームへポイントを持ち帰れるかもしれないと思っていただけに、リタイアは残念だった。チームが毎戦ハードワークをして作り上げてくれたアップグレードによって、シャシーは明らかに進歩している。だから、コース特性の異なるカナダでそれがどうなるか楽しみだ。ここでレースをした経験がなく、僕にとっては未知のサーキットだけど、シミュレーターでかなりの量を走り込んだ。厳しいコースで、多くの人が“ドライバーズ・サーキット”という理由が分かったような気がする。やらなければいけないことが多く、忙しいサーキットなので高い集中力が要求される。“ウォール・オブ・チャンピオンズ”はそれを象徴するようなコーナーだ。レースに向けた準備やセットアップなどは、モナコと対極だが、こういった特性のサーキットを実際にドライブできることに興奮している。レースはブレーキ、エンジン、そしてドライバーに厳しいものになると思うし、セーフティカーの出動もあり得るので、戦略とセットアップについてもよく考える必要がある。フェルナンドはここでの経験が豊富なドライバーなので、チームに帰ってきてくれるのは、僕にとってもいいことだと思っている。簡単なグランプリではないけど、モナコと違ってオーバーテイクのチャンスが多いので、混乱が起きればチャンスが増えると思う」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「モナコとインディアナポリスでのレース両方に力を注ぎ、マクラーレン史上最も忙しかったと言える週末を終えたが、カナダGPへ気持ちを切り替えなければならない。モナコでは人気者のジェンソンが復帰し、特に予選で力強いパフォーマンスを発揮した。彼の腕は少しも衰えていないことを証明してくれたと思う。ストフェルも週末を通じて素晴らしい走りで、モナコのような手ごわいサーキットでも十分に戦える力があることを示してくれた。ポイント獲得を期待したものの、残念ながら叶わなかった。しかし、現在進めている開発作業がいい傾向を示しているので、いい形でカナダへ向かうことができる思っている。そしてもちろん、マクラーレン・ホンダ・アンドレッティでインディ500に挑戦していたフェルナンドが、チームに戻ってくることも、とても楽しみだ。この数週間で彼が成し遂げたことは驚くべきもので、チームの誰もがフェルナンドと再会し、その印象的なパフォーマンスを称えるのを待ちわびている。毎年、マクラーレン・ホンダのチーム全員が、モントリオールでの日々を楽しんでおり、カレンダーのなかでもお気に入りのレースであることは間違いない。グランプリ中はダウンタウンエリアに滞在するが、街の雰囲気は素晴らしく、いつも温かい歓迎を受ける。カナダの人々は、我々と同じくレースが大好きだし、レースも展開が読めずエキサイティングなことで評判だ。マクラーレンはここで数々の勝利を手にしてきたが、なかでも有名なのは6年前のジェンソンの勝利だろう。4時間以上に及ぶレースで、まさに予想不能なカナダのレースを象徴するものだったと思う。また、悪名高き“ウォール・オブ・チャンピオンズ”は、多くのマシンと、ドライバーのプライドを打ち砕いてきた。こうした過酷なサーキットが、ドライバー、エンジニア、メカニックに対して、ほかでは見られない挑戦を強いる。ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは高速コースで、タイトなシケイン、限られたランオフエリアとハードブレーキングが存在する。この特性は、我々のパッケージが持つ強みと合わないかもしれないが、さらなるパフォーマンスを引き出すために開発したパーツを持ち込み、毎戦限界までプッシュして戦うのみだ。まだまだ道のりは長いし、このサーキットは自分たちのパッケージが苦手とする環境ではあるが、持つ武器を最大限に活用し、コース上で訪れるすべてのチャンスをものにしていく」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「カナダGPは、シーズンの中でも最も活気があり人気のあるレースの一つで、ファンも毎年温かく迎えてくれます。いつも素晴らしい雰囲気の中でレースをすることができますし、Hondaカナダの同僚たちからのサポートもあり、私たちにとっては毎年スペシャルなレースの一つです。モナコではジェンソンがスポット参戦としてカムバックしましたが、今回はインディで偉大な挑戦を終えたフェルナンドが、我々のもとに戻ってきます。ルーキーとしての勝利を狙っ...
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