フェリペ・マッサは、F1ブラジルGP決勝前のグリッドで測定されたタイヤのトレッド温度が規定値を超えていたとしてレース結果から除外された。母国グランプリを8番グリッドからスタートしたフェリペ・マッサは、ペースに苦しみながらも8位でチェッカーを受け、地元ファンにポイント獲得の結果をプレゼントしたはずだった。しかし、レース後に行われた審議でリザルト剥奪という処分を下された。
今シーズン、タイヤバースト問題を受け、F1イタリアGP以降、FIAはピレリが供給するタイヤの限度を超えて走行しないようにグリッド上でタイヤ圧とタイヤ温度の測定を義務付けている。FIAテクニカル部門代表のジョー・バウアーは、フェリペ・マッサのタイヤ状況について「“5分”通知が示された後、グリッド上でカーナンバー19の右リアタイヤのトレッド温度とスタート時の最小タイヤ圧の確認が行われた」と声明で説明。「カーナンバー19の右リアタイヤのトレッド温度は137℃と計測され、公式タイヤサプライヤーによって承認されているトレッド最高温度である110℃を27℃超過していた。137℃はタイヤ圧で20.6psiに相当し、これはスタート時の最小タイヤ圧を0.1psi超過している」 レース前に温度を高く設定して走行すると、タイヤが冷えた際のタイヤ圧低下にアドバンテージがあるとされており、それが競争力にアドバンテージをもたらす。 報告を受けて調査に乗り出したスチュワードは、ジョーバウアーとFIAテクニカルアシスタントとともに、ウィリアムズの代表者を招集。事実関係を確認し、公式タイヤサプライヤーであるピレリがブラジルGPに定めた最大のトレッド温度を厳守していなかったと判断した。 スチュワードは「FIA F1テクニカルレギュレーション第12条5項1号、および、FIA F1スポーティングレギュレーション第3条2項、FIA国際スポーティングコード第12条1項1号i」に違反しているとし、フェリペ・マッサのリザルトを剥奪すると裁定。 「右リアタイヤの温度をFIA技術指南書TD/029-15に従って測定した。当該チームはFIA F1テクニカルおよびスポーティングレギュレーション、FIA国際スポーティングコード、イベントプレビューに記載されたオフィシャルタイヤサプライヤーの指示を順守していなかった」 フェイペ・マッサのリザルト剥奪により、ロマン・グロージャンが8位に繰り上がり、トロ・ロッソのマックス・フェルスタッペンが9位、グロージャンのチームメイトであるパストール・マルドナドが最後の1点を獲得している。 ウィリアムズは、スチュワードの裁定に控訴する意向を表明している。