レーシングブルズのリアム・ローソンは、F1サンパウロGPで力強い走りを披露し、チームにとって貴重なポイントをもたらした。土曜のスプリントでオリバー・ベアマンとの接触によりペナルティポイントを受けたが、日曜の決勝ではその雪辱を果たす形となった。インテルラゴスで行われた波乱のレースでは、チームメイトのアイザック・ハジャーが5番グリッド、ローソンは7番グリッドからスタート。両フェラーリ勢のリタイアによる混乱の中で、ローソンは1ストップ戦略を完遂し、6ポイントを獲得した。
一方、ハジャーは2ストップ戦略で4ポイントを加え、レーシングブルズはダブル入賞を果たした。レース後の無線「ニュージーランドの防衛大臣」レース終盤、ローソンとザウバーのニコ・ヒュルケンベルグは、後方から迫る集団を古いタイヤで必死に抑え込んだ。最終ラップではハジャーがターン1の外側から仕掛け、2台は軽く接触したものの、ポジションを維持したままフィニッシュ。チェッカーフラッグを受けた直後、チーム無線では「それはマスタークラスだ。突き進め、突き進め」とのメッセージが送られ、ローソンが「最高にうれしいよ!」と応じると、エンジニアは冗談交じりに「ニュージーランドの防衛大臣、リアム・ローソンだ」と称賛した。ローソン「お互いに理解している」レース後、ハジャーとの接触について問われたローソンは次のように語った。「彼は仕掛けてきたけど、あのコーナーは外に向かってカーブしてるから、ブレーキング前に抜ききるのは難しい。少し判断を誤ったと思うけど、僕らはどちらも走り続けられたから問題なかった。チームとして7位と8位でフィニッシュできたのは本当にいいことだ」「最終ラップなんだから、チームが『抜くな』なんて期待するのは無理だと思う。お互いにレースをしているんだからね。結果的に2台とも無事に戻ってこられたし、チームにとって素晴らしい週末になったよ」2026年へ──ローソンの評価上昇ハジャーは来季レッドブルへの昇格が有力視されている一方で、ローソンの契約は今季限りとされている。しかし、角田裕毅がリタイアを喫した一方で堅実なポイントを持ち帰った今回の結果は、2026年のシート争いにおけるローソンの評価を大きく押し上げるものとなった。経験と冷静さを見せたこの走りは、チーム内での存在感をさらに高める“防衛大臣”としての象徴的な一戦となった。