トム・クリステンセンは、2013年のル・マン24時間レースでアウディ 2号車をドライブして優勝。ル・マン最多優勝記録を9回に伸ばした。ポールポジションからスタートしたアウディ2号車(ロイック・デュバル / トム・クリステンセン / アラン・マクニッシュ)は、土曜日の夜9時43分にトップに立ち、そこから日曜日の午後3時のゴールまで一度もトップの座を明け渡すことなく走り続けた。
デンマーク人のトム・クリステンセンは、1997年にチーム・ヨーストからル・マン24時間レースに初参戦して、いきなり総合優勝を達成。2000年にはアウディと手を組んだチーム・ヨーストに復帰し、2005年まで総合6連覇を達成。2008年にもアウディで総合優勝を獲得している。「今回のル・マンは特別な想いに溢れるレースでした」とトム・クリステンセンは振り返る。「世界最高のチームで参戦出来たことを誇りに思っています。この想いは、すべてのチームメイトだけでなく、インゴルシュタットやネッカーズルムで働いているすべての人々、そしてアウディスポーツ チームヨーストの面々に捧げます。彼らは、私達の夢の実現に多くの力を注いでくれました。そして今日、その夢は再び現実のものとなりました」トム・クリステンセン、今年のル・マン24時間レースのレース中の事故で亡くなった同じデンマーク人のアラン・シモンセンに哀悼の意を評した。「ただ、私達と同じ夢に向かっていたアラン・シモンセンが亡くなりました。彼はとても控え目ですばらしい人でした。私が優勝を手放しで喜ぶことができないのは、彼を失った悲しみによるものです。そもそも私は9度目の優勝を目指して、今年3月に亡くなった父から託された大きな決意と望みを胸に走ろうと考えていました。父は亡くなる前に今年のル・マン優勝を強く願ってくれていました。ロイックやアランと共に今年も優勝を獲得することが、父が残した想いに応えることだと感じていたのです。そして今、その想いをアラン・シモンセンにも捧げたいと思っています」