ジョージ・ラッセル(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)がラスベガスGP記者会見に登壇した。昨年のラスベガスGP勝者であるラッセルは再び勝機を狙い、アロンソはコンストラクターズ争いの現状を語り、フェルスタッペンはタイトル戦線の可能性と自身のパフォーマンスを振り返った。
残り3戦となるなかで、それぞれが抱えるテーマは異なる。メルセデスはコンストラクターズ2位を死守し、アストンマーティンはレーシングブルズやハースとの6位争いを継続し、フェルスタッペンは49点差の逆転タイトルをわずかな望みの中で追っていく。Q: 昨年の優勝者として、再び勝てる自信は?ジョージ・ラッセル:去年は僕らにとって素晴らしいレースだった。クルマも冷えたコンディションにすごく合っていた。でも、去年勝ったからと言って、今年も勝てるとは限らない。僕らは今年シンガポールで勝ったけど、2024年は最悪だったしね。レッドブルは低ダウンフォースのセッティングを大きく改善して、モンツァでもバクーでも勝っている。だから彼らも強いと思う。Q: トトが“去年のマシンを持ってくるべきだった”と冗談を言っていました。今年のメルセデスはより万能? 昨年良かった理由を打ち消してしまった可能性は?ラッセル:確かに今年のマシンはシーズンを通して強くあろうとした結果のクルマだ。去年は冷えた条件で特別に速く、勝てたけどチャンピオンシップでは離されて4位だった。今年は2位争いをしている。より多くのサーキットで強さがある反面、去年ほど特定条件で圧倒的ではない可能性はある。Q: コンストラクターズ2位を32ポイントリードしています。自信は?ラッセル:すぐに状況は変わる。1-2フィニッシュがあれば一気に変わる。オースティンとメキシコでは後れを取ったけど、ブラジルで大量得点ができた。だから油断せず、1レースずつやっていく。2位フィニッシュが目標だけど、今季もう一度勝ちたい。特に次の2レースはチャンスが大きいと思う。Q: あなたも150戦目です。ここまでのハイライトとローポイントは?ラッセル:時間が飛ぶように過ぎていくね。右隣の人(フェルスタッペン)に追いつくにはもっとたくさん走らないといけないけど。ハイライトはやっぱり最初のレースかな。夢が叶った瞬間だ。今はレース数が多くて、シーズンが relentless(容赦ない)だ。でも、こうした節目のタイミングで「僕たちは子どもの頃の夢を叶えたんだ」と気づくんだ。競争の中にいると忘れがちだからね。Q: アストンマーティンはレーシングブルズとのコンストラクターズ争いの最中です。逆転は可能?フェルナンド・アロンソ:どうなるか分からない。最近はハースも多くポイントを取っていて、前だけでなく後ろも気にする必要がある。最終戦アブダビまでタイトな戦いになるだろう。今週末から全力で挑む。Q: 昨年ラスベガスは厳しい週末でした。今年は改善できますか?アロンソ:ジョージが言ったように、去年悪かった場所で今年勝ったりもする。僕たちは去年ラスベガスで苦戦したから、今年は逆に何かできるかもしれない。でも簡単ではない。予選はQ1、Q2、Q3と常にストレスだし、レースは昨年グレイニングが問題だった。明日のフリー走行でその対策をしなければならない。雨の予報もあるし、あらゆる可能性を想定しないといけない。Q: 雨のラスベガスはどんな感じ?アロンソ:楽しくない。全然楽しくない。スピードは高いし、ライトで視界は悪くなる。グリップレベルも低い。見る側は楽しいかもしれないが、運転する側は最悪だ。Q: ブラジルでとても良いレースをしました。ここでも同じ感覚が得られれば勝てますか?マックス・フェルスタッペン:ブラジルのレースペースはかなり良かった。もっと前からスタートしたかったけど、追い上げて最後まで戦えたのは楽しかった。P2争いではあったけど、レース自体は楽しめた。ここでも競争力があれば同じように戦えると思う。Q: ランドに49点差。まだ逆転の可能性は?フェルスタッペン:いつもと同じだ。状況は変わらない。ポイント差は大きいし、考えても仕方がない。運が必要だし、僕自身はタイトルのことを考えていない。Q: 今季のあなたの走りは非常に高い評価を受けています。今年はあなたにとってベストシーズン?フェルスタッペン:良い年だったと思う。毎年ベターを目指すけど簡単じゃない。できる限り一貫してクルマを最大限に扱うことを目指して、それは多くのレースで達成できた。でもシーズンのほとんどでタイトルを争える位置にはいなかった。勝てたレースは嬉しかったけど、低い瞬間は良いものではなかった。夏休み後は100点以上離されていて、もっと広がりそうだった。でも多くを取り返せたのは誇っていいと思う。運があった部分もあるけどね。フロアからの質問Q: 明日の雨予報について。ラスベガスの雨はどこが危険?楽しみでもある?ラッセル:雨はチャンスになる。でもここは勝てると思っているレースだから、できれば降ってほしくない。ものすごく寒くなるし、タイヤを温めるのが難しい。ストリートサーキットで白線も多く、バンプもある。誰かは必ずミスするだろうし、僕はその“誰か”になりたくない。フェルスタッペン:雨なら路面が濡れて滑りやすい。正直楽しみではない。ここはただでさえ理解するのが難しいから、ドライの方がいい。場合によってはフリー走行が減った方が楽かもしれないけどね。Q: マックス、去年あなたはランドに“君の時代は来る”と言っていました。今年のランドは去年と違う?フェルスタッペン:最近の彼は全てが噛み合っているように見える。ドライバーは誰でも過去から学んで成長するし、それはランドも同じだ。去年言ったことは本心だ。今年の状況を見れば、その意味は明らかだと思う。時には我慢して“来るべき瞬間”を待つ必要がある。Q: ザントフォールト以降の追い上げは見事でした。タイトルはまだ射程内?フェルスタッペン:終盤まで相当な運が必要だ。でも僕は考えていない。良い週末を重ねたいだけだ。最終戦アブダビが終わったら休んで、また来年だ。Q: もっと“クレイジーな開催地”を選べるなら?ラッセル:ロンドン。誰もロンドンで市街地レースをやるとは想像しない。でもラスベガスも同じだった。アロンソ:僕の故郷。そして僕のカート場。サイズを大きくして。あり得ない話だけど、ラスベガスもそうだった。フェルスタッペン:北極。Q: アストンはレーシングブルズと...