ランド・ノリスは、レースクラフトを早急に改善しなければ2025年のF1ワールドチャンピオンを逃すことになるかもしれないと、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハが警鐘を鳴らしている。マイアミGPでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンに対して、ランド・ノリスが果敢にオーバーテイクを仕掛けたが、接触寸前の攻防の末にコース外へ押し出され、順位を6位まで落とした。
ノリスはこの一件について「押し出された」と主張し、「マックスとレースするのは『ぶつかるか、抜かないか』のどちらかだ」と不満を述べた。しかし、同じくマクラーレンのチームメイトであり、このレースの勝者となったオスカー・ピアストリは、同じ相手に対してクリーンなオーバーテイクを成功させている。当時、ラルフ・シューマッハはSky Deutschlandに「ノリスは何かがおかしい」と語っていた。そして今、シューマッハはその主張をさらに強め、ノリスはピアストリやフェルスタッペンといったタイトルコンテンダーたちに明確に「実力で劣っている」とまで言い切っている。「もしノリスにその能力があるなら、もうとっくにやっているはずだ」と語るシューマッハ。「言い訳なんて通用しない。ある種のドライバーたちは、完璧な感覚を持っている。フェルスタッペンはもちろん、ピアストリもそうだし、(オリバー)ベアマンも同様だ。ノリスにはそれがない。そして、それは今後も変わらない。彼にはオーバーテイクの基本が欠けているんだ」さらにこうも続けた。「本来それはカート時代に身につけるものだ。ノリスにもできるはずなんだよ。だが彼は、いつも前に出るのに時間がかかりすぎる。それが彼の問題だ。こんなやり方では、世界チャンピオンにはなれない」また、ノリスにはフェルスタッペンのような攻撃的な気質や、ピアストリのような冷静さといった「メンタル面での強さ」も欠けているという批判が、以前からしばしば聞かれていた。シューマッハは「マイアミの週末を経て、チーム内の力関係に決定的な変化があった」と感じている。「ピアストリは、今や自分の方が明らかに優位だと感じているだろう」とし、直近5レースのうち4勝を挙げているピアストリの勢いを強調。「スプリントではセーフティカーに運悪く足を引っ張られただけで、それがなければノリスの勝利すらなかっただろう」「ノリスにとっては厳しい状況だ。しかも彼は、フェルスタッペンへの批判によって、味方すら減らしている。チーム代表のアンドレア・ステラでさえ、あの件はノリスのミスだったと明言していた」そして今後について、シューマッハはこう予測する。「ノリスは今、自分が結果を出さなければならないと痛感している。だからこそ、リスクをより多く取ろうとするはずだ。常に“弱い方”と見なされることに、もう我慢ができなくなっているんだろう」「彼は“もっと強く”見せようとするだろう。でも、ピアストリのような絶妙な感覚は持っていない。ピアストリはタイトなラインで走っても、しっかり守り切れる。その差がある。私は、ノリスが接近戦で判断を誤り、チームメイトとの接触に至る場面も想像できるよ」
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