佐藤公哉が、GP2マシンでの初走行となった公式合同テストを振り返った。今年、カンポス・レーシングと契約してGP2シリーズにフル参戦する佐藤公哉は、3月11〜13日にかけてアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで実施された第1回公式合同テストに参加した。佐藤公哉にとっては初めてのコース、初めてのクルマ、初めてのタイヤという事情もあり、慎重にテストへ臨んだ。
3日間のテストで使用が許されるタイヤは、ミディアム5セットとスーパーソフト2セットで、これを路面状態やテストメニューに合わせて使いこなす必要があった。テスト1日目の3月11日(火)午前は、コース/クルマ/タイヤに慣れる目的で参加ドライバー中3番目に多い24周を重ねた。セッション終盤には、新品ミディアムで1分52秒179をすんなりと記録して12番手につけた。午後は、スタートやピットイン/ピットアウトの練習をこなしながら周回し、中古ミディアムを履いていたにもかかわらず自己ベストの1分51秒311を記録。セッション終盤には新品ミディアムでタイムアタックに臨む予定だったが、エンジンの水温が危険な水準まで上がったため断念することとなった。エンジンを交換して迎えたテスト2日目の3月12日(水)午前は、セッション半ばに新品スーパーソフトでタイムアタックに臨み、1分51秒204を一発で叩き出して4番手につけた。とはいえエンジンの水温はまだ高く少なくない馬力を失っているため、セッション終了後にラジエーターを交換。午後は、30周のレースシミュレーションを実施。中古スーパーソフトでスタートして序盤の6周をこなし、ピットストップでは中古ミディアムへ交換して30周を無事に走りきった。軽い砂嵐に見舞われたテスト3日目の3月13日(木)午前は、前日同様セッション半ばに新品スーパーソフトでタイムアタックに臨み、1分50秒748を記録して11番手につけた。午後は、前日同様に30周のレースシミュレーションを実施。この日も中古スーパーソフトでスタートして序盤の6周をこなし、ピットストップでは中古ミディアムへ交換し、途中1回の赤旗中断こそ挟んだものの30周を無事に走りきった。次回、佐藤公哉は3月19〜21日にはバーレーン国際サーキットで実施されるシーズン前最後となる公式合同テストに臨む。佐藤公哉「1日目午後はセッション終盤になって急激に気温が下がり、ライバルが揃って新品ミディアムでタイムアタックに臨んだので、僕らも新品ミディアムでコースインしようという話になりました。しかし、自己ベストを更新する前からすでに水温が異常に高くなる症状が出始めたので、大事をとってタイムアタックはあきらめました。2日目午前は早めに新品スーパーソフトを履き、セッション半ばの段階でタイムアタックに臨みました。暑い時間帯にオプションを履くなんてどうかしている! と思われるかもしれませんが、シーズンに入って同じ状況を迎えたときを考えた準備でした。午後はレースシミュレーションを実施し、ペース配分とタイヤの使い方を探りました。これはあとでカンポスのスタッフから聞いた話ですが、そのときに僕が1分54秒台前半から中盤のタイムを10数周にわたり揃えて走っていたことに関して“ビューティフル!”と、過去に複数回GP2タイトルを取っているチームのスタッフが誉めてくれたそうです。単なるベストタイムの比較で判断するのではなく、しかも僕のようなルーキーの走りをチャンピオンチームが気にしていたなんてまんざらでもありません。3日目午前も早めに新品スーパーソフトを履き、セッション半ばの段階でタイムアタックに臨みました。軽い砂嵐に見舞われながらも1分50秒台に入りましたが、欲を言えばあとコンマ数秒は速いタイムを残したかったですね。午後は前日同様にレースシミュレーションを実施し、タイヤが厳しくなった昨日の経験をもとに、タイヤを労わりつつ終盤で一気に攻める走りを試しました。レースでは必ずそういう場面に遭遇するという予測に基づいたものです。結果的には非常にうまくタイヤを使いきれて満足です。今回のテストは1日目にエンジンのオーバーヒートでいきなりつまずきましたが、終わってみれば非常に充実した内容になりました。GP2経験豊富なF1を目指すライバルたちと互角以上に渡り合えて自信になりました。次のバーレーンテストもしっかりとメニューをこなし、4月の開幕大会を迎えたいと思います」
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