佐藤公哉が、GP2シリーズ第2大会のレース週末を振り返った。2014年のGP2シリーズでカンポス・レーシング(Campos Racing)に所属する佐藤公哉は、F1世界選手権第5戦スペインGPと併催される第2大会へ同チームから臨んだ。本大会で供給されるタイヤは、プライム側がハード(オレンジ)でオプション側がソフト(イエロー)だった。
5月9日午後12時からの練習走行(45分間)ではハードを履いてコースイン。予選を想定したタイムアタックをセッション開始早々に済ませると、タイヤ交換せずそのままクルマの調整やスタート練習などに時間を費やし、自己ベストタイムは1分31秒912の17番だった。午後3時55分からの予選(30分間)ではソフトを履いてコースイン。1セットあたりタイムアタックを2回実行して、供給された2セットを使いきり、1セット目は1分30秒890で20番手だったたが、2セット目は1分30秒510で17番手まで挽回した。5月10日午後3時50分からの決勝レース1(37周)では、4台の車両がグリッド上でエンジンを停止してスタートは仕切り直しとなり、規定周回数は1周減の36周となった。このレースではハードとソフトのタイヤ使用義務が課されており、途中で4輪交換を伴うピットストップの必然性が生じる。17番グリッドの佐藤はソフトで臨み、スタートは手間取ったが第1コーナー以降の巧みなライン取りで3〜4台を抜き去った。さらに前方で接触事故が発生し、1周目で10番手へ、セーフティカー導入中の3周目にはポイント獲得を目の前にする9番手へ浮上した。6周目にタイヤをソフトからハードへ交換。しかしこのとき、タイヤ交換作業が遅れただけでなく、佐藤公哉自身も時速60キロ制限のピットレーンで僅かに速度違反を犯し、ドライビングスルーペナルティを科された。二重のロスタイムで大きく順位を下げた佐藤公哉は19位に終わった。5月11日午前10時40分からの決勝レース2は、雨上がりでコースのところどころが濡れている状況で実施されたが、参加ドライバー全員が晴れ用タイヤのハードで臨んだ。19番グリッドの佐藤公也はスタートで順位を上げることができず、またペースの遅い先行車両に前をふさがれる恰好のまま19番手で周回を重ねた。それでもレース終盤に前方集団のペースがガクリと落ちたところでムチを入れ、15位完走を果たした。佐藤公哉「練習走行でのタイムアタックは、満足できる結果ではありませんでした。クルマはコーナリング中にリアが安定せず、また中速コーナー出口でトラクションが掛かりにくい症状が出ていました。とはいえ、予選ではソフトを履いたこともあって症状は出ませんでした。トップとのタイム差は縮まったとはいえ、まだまだ速さが足りません。タイヤの空気圧なのかダンパーなのか理由は分かりませんが、このサーキットに合わせて持ち込んだクルマの何かが根本的に間違っているのではないか? 小さなことかもしれないが一周するとそれが1秒差になって表れているのではないか? と僕らは推測して決勝に向けた改善策を練りました」「決勝レース1のスタート直後は順位を下げましたが、第1コーナー以降のライン取りがうまく行きました。3周目に9番手へ上がり、ポイント獲得と決勝レース2での上位グリッド獲得を疑いませんでした。しかし、ピットストップで左前輪の作業が遅れて、コースへ戻ったときには順位が大きく下がっていました。ピットストップ前は僕の3つ後ろだったチームメイトが、ピットストップ後は僕の前を走っていたくらいのタイムロスでした。さらに、自分自身もピットレーンへの進入で僅かな速度違反を犯し、ドライビングスルーペナルティを科されました」「決勝レース2は雨上がりのレースで、乾いていると思われたアウト側のラインを、前日のように1周目では使って渋滞を抜けようとしました。しかし、思いのほかグリップしませんでした。そのためにポジションキープ、あるいはイン側から突っ込んできたドライバーに抜かれたかもしれません。レースペースについては、僕たちのクルマは強かったと思います。ただ、低速コーナー立ち上がりのトラクションが決定的に不足していて、ホイールスピンに悩まされました。コーナー進入のブレーキングでは前のクルマとの差を詰められるのですが、コーナー出口が遅いので抜くに抜けません。とりあえずペースが遅い前のクルマを追いかけて、レース終盤に前を行くドライバーたちのタイヤが終わってから、ようやく何台か抜きました。でも、最後尾争いなのでぜんぜんダメですね。とにかくスタート位置と、スタート直後の1周目でいかに渋滞を抜けるかが今後の課題です」
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