小林可夢偉が、F1アブダビGPにむけての心境を語った。ケータハムの財政破綻により、アメリカGPとブラジルGPの欠場を余儀なくされた小林可夢偉。しかし、ケータハムはクラウドファンディングによって資金を募り、先週末にアブダビGPへの参戦を表明した。小林可夢偉は、ケータハムから連絡が来たのは月曜日の朝だったと明かし、アブダビGPに出場できるとは想像していなかったと述べた。
「想像してなかったですね。正直なところ」と小林可夢偉はコメント。「もてぎのSUPER GTに行っていて、帰ってきて、朝起きたら『走るみたいだけど走る?』と聞かれたので、即決で『走る』と返事しました。『お金は払わなくていいの?』とすぐに尋ねましたけどね。払わなくて良いと聞いて安心しました」しかし、今回のF1アブダビGPでのケータハムは決して万全の体制とは言えない。チームスタッフの230名は解雇され、現地に来ているスタッフは少数でファクトリーとのデータ共有もない。しかも、以前のレースエンジニアは来年チーム移籍が決定しており、子供が生まれることもあり、アブダビには来ておらず、マーカス・エリクソンを担当していたエンジニアが小林可夢偉を担当する。「色々な状況で、来年F1でレースをするのはきついと思うし、来年レースするのがきついということは、今後レースをすることもきついということでもあるから、もしかするとこれがF1レース最後になるかもしれない」と小林可夢偉はコメント。「これは思う存分、レースをしておくべきかなと思いました」「あと、最終戦の記念撮影にも参加できるということは終わりよければとも言うし、光栄ではあるじゃないですか」“最後のレース”という表現について小林可夢偉は「来年乗らなかったら僕は29歳でしょ?再来年は30でしょ? 30のオッサンが帰ってくるといっても、17とか18歳の若い子がレースしているところに入るというのはけっこう現実的に・・・その歳でF1に戻ってくるというのはかなり何かが無ければまず戻ってこれないと思います」と述べた。アメリカでは、来年F1復帰するホンダへのアピールをした小林可夢偉だが、実情は厳しいと述べた。「僕がこう、なにを言ったところで、なかなか社内的にいろいろな考え方の人がいると思うんで、そんな簡単じゃないなということがよくわかりました」まだF1で戦えると考えている小林可夢偉だが、2015年はサードドライバーも視野に入れていると述べた。「気持ちとしては、レースしたいな、というのもあるので、なかなか難しいですよね」「次に来る人たちまで繋げることができればいいですね」「もちろん来年も乗れるように全力は尽くしますけど、現状は甘くないです。でも、もし二度とF1でレースができなくても、後悔しないレースをしたいと思って、ここへ来ました」「思う存分と言っても、それは自己満足ですからね。これがベストのクルマだったら勝ちを目指すしかないけど、グリッドで一番遅いクルマですから。でも、これで1台くらいは負かしたいですね。マルシャがいないので、かなり厳しいですけど」
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