小林可夢偉が、最後尾から10位入賞を果たしたF1トルコGPの週末を振り返った。金曜日の午前中はウェットコンディション。今シーズン初めてウェットタイヤでのセッションとなった。「金曜日の午前中は今シーズン初めてのウエットセッションだったんですが、いろんなとこでアクアプレーニングするし、ちょっと縁石にあてただけでもすぐにフラついたり、濡れた路面はかなり滑って危なかったですよ」と小林可夢偉はコメント。
「ただ、ウエットタイヤ自体は全然問題なくて、レースでも使えるかなと感じてました」しかし、午後にはマシントラブルが発生し、小林可夢偉はマシンセッティングに苦しむことになる。「午後からはドライセッションになって、プライムタイヤをチェックしたあとオプションタイヤで出て行ったら、油圧漏れでギヤボックスに問題が起きたんです」「ガレージで直してもらって燃料を積んでいったので、結局ガソリンが軽い状態のタイムアタックはできなかったんですよね。だから、実際に自分がどのくらいの位置にいるのかというのは分からなかったですね。セットアップもあまりできていませんでした」一夜明け、クルマのセッティングを進めた小林可夢偉だが、引き続きマシンセッティングを模索していた。「土曜日の午前中はいろいろクルマをいじってみたら、完全に変な方向に変えすぎていて、よく分からないまま終わってしまったので、予選前にクルマを金曜日に近い状態に戻していたんです」迎えた予選。小林可夢偉をセットアップ確認のために真っ先にコースインするもアタック1周目で突然エンジンが止まり、予選を戦うことができなかった。「予選の第1セッションが始まって真っ先にコースインしたのは、そのセットアップを確認しようと思っていたんですが、アウトラップが終わって計測ラップに入ったバックストレートの途中で突然エンジンが止まってしまいました。なんとか惰性でピットを目指したんですけど、ピットレーンの入り口で止まってしまって、マーシャルに押されて戻ってきて、クルマから降りました」「燃料系のトラブルだったので、結局自力でピットに戻ってきていても、交換するのに3〜4時間かかるそうなので、どちらにしてもアタックには出られませんでした。まあ年間19レースを戦ったら、こんな不運もありますよ」しかし、予選を走らなかった小林可夢偉には3セットの新品タイヤが余った。「その分決勝レースでは新品のオプションタイヤを3セット使えるし、とにかく全部使って追い上げようと気持ちを切り替えました。とにかく楽しいレースができればと思っていました」順調にポジションをあげていった小林可夢偉だが、レース中盤にセバスチャン・ブエミと接触。それが原因でリアタイヤをパンクさせてしまった。「ブエミが当たったときは僕の方が前に出ていたと思うんですけど、その時は右リヤタイヤがパンクした感じではなかったんです」「でもストレートを過ぎたあたりで、とつぜん右リヤがガクンとなって、『あ〜、パンクしてた!!』って分かったんです。そこからほぼコース1周をクルマがガクンガクンなりながら、なんとかピットに戻ってきました」「ピットレーンの入り口の左カーブでは、もう全然曲がってくれなくて必至にクルマの向きを変えてました。タイヤがパンクしていても通常のラップタイムよりもプラス10秒ぐらいのロスで回って来れたので、僕としてはこの周がベストラップですね(笑)」パンクにより、ピットインのタイミングが早まったことが、小林可夢偉のレースに影響を与えた。「ただ、予定より早くタイヤを交換することになったので、次のタイヤ交換のタイミングも前倒しになって、最後のスティントも4周くらい長く走らなければならなくなったんで、影響は大きかった」「オーバーテイクもできたし。レースとしては楽しめましたが、あのパンクさえなければ7位にはなれたと思うんですよね。だから正直悔しいです。去年もハンガリーGPで最後列からスタートしてポイントを獲ってますから、今回特別なことをしたという気持ちはないです」「次のバルセロナにはアップデートが入るんですが、どれだけ効果を見せてくれるか楽しみにしています」
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