小林可夢偉が、7位入賞を果たした第2戦F1マレーシアGPを振り返った。マレーシアは、高温多湿の気候ということもあり、新しいピレリタイヤのデグラデーションやタイヤ戦略が注目を集めた。「ピレリタイヤを暑いなか走らせるのが初めてなので、タイヤのバランスがどうなるのかが気になっていました」と小林可夢偉は語る。
「予測を裏切ってくれるタイヤなので、走る前にあまり予測はしないでいたんですが、フリー走行で走ってみるとやっぱり暑さのせいで、これまでとはずいぶんとバランスが変わってました」初日のフリー走行ではセッティングにはまったという小林可夢偉。土曜日も調整を進めたが、予選を前にしてもまだ満足できる状態ではなかったことを明かした。「初日を終えた時点では、前回ほど余裕もなくて正直はまってるかなと思ったんですけど、タイヤのもち自体はそんなに悪くない印象でした。予選前のフリー走行に向けてクルマのセッティングを変更して、セッション中にもさらに違ったセッティングを試してみたりして、少しずつ好みの方向に近づいていっていたんですけど、予選前は100%満足できるという状態ではなかったんです」しかし、予選になると感覚は変化したという。「それが予選になったらいきなり、何かが起きたように一発目からタイムが出た。このタイヤはラバーが路面に乗っていく感覚があまりなくて、本当は路面がよくなってはいるんでしょうけど、なかなかそういうイメージを感じづらくて、タイムが勝手に上がっていく感じでした」「前回第3セッションに新品のオプションタイヤが残ってなかったので、第2セッションの1回目のアタックは中古のタイヤでバランスをチェックして1セットを温存しました。2回目のベストタイムを出したラップはほぼ完璧に近かったので、もう1回あのタイムを出せと言われたら厳しいところはあるんですけど、とにかく自信をもって予選でこういうタイヤの使い方ができるというはすごく良い方向に進んでいると思います。ともかく今回も予選第3セッションには入れてよかったし、予選に向けていい仕事をしてくれたチームに感謝しました」決勝で小林可夢偉は2ストップ戦略を慣行した。「決勝はとにかく無理しすぎはまずいので、落ち着いてやろうと心がけていました。しっかり良いポジションで抜けて完走すればポイントは充分可能だと思ってました。2ストップ作戦はタイヤ的にはツラい面もあったんですけど。ただ結果的には3ストップ作戦でもポジションはあんまり変わらなかったと思います」「やっぱりトップチームとのクルマの速さの違いというのは、すぐにはどうしようもないんですけど、いまメルセデスと戦えているというのはチームとしては充分な状態だと思うし、これからも、しっかりとポイントをつかんでいけるような、そういうクルマをつくりたいと思ってます」「とにかく今シーズン、チームの初ポイントを獲れてよかったです。前回からの流れで今回もし成績が悪かったら、ちょっと辛いと思ってましたし。でも、前回に続いて優秀な成績を残せたというのはよかったし、これで自信もついたし、このまま続けていきたいですね」