インディカー・シリーズの最終戦がカリフォルニア州フォンタナで開催され、スコット・ディクソンが3度目のシリーズチャンピオンが輝いた。戦いの舞台は、シリーズ屈指の高速オーバルコースであるオートクラブスピードウェイ。一周2マイルと長いコース全長、そして最大14度と大きな傾斜がつけられたバンクという要素がそろい、インディカーはハイスピードで接近戦を演じることになった。
一触即発の凄まじさをみなぎらせたレースは、周回を重ねていく中でサバイバルへと様相を変えていった。砂やタイヤかす、アクシデントで散らばったマシンの破片がラジエーターを覆い、多くのマシンのエンジンがオーバーヒートを起こした。最終的にトップと同一周回で走るマシンは5台にまで減少。ポイントリーダーのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は17番手スタートから徐々にポジションを上げていった。特に、2回目のピットストップがすばらしく、一気にトップ10へと食い込んだディクソンは、さらにスピードアップして195周目にはトップに躍り出た。ところが、レースが終盤に入ってからラジエーター表面を異物が覆ったため、エンジンがオーバーヒート気味になり、ポジションダウンを承知でピットに入って、異物を除去する必要が生まれた。そこからのスコット・ディクソンは慎重にマシンを走らせ、5位でゴール。ポイントランキングで2位につけていたライバルは、1周遅れの6位でゴールするのが精一杯で、ディクソンは2003年と08年に続く、3度目のシリーズチャンピオンに輝いた。スコット・ディクソン(5位、2013年シリーズチャンピオン)「レース序盤のマシンはハンドリングがベストではなく、苦しい戦いを強いられました。しかし、ピットストップの際にセッティングを変更することで、マシンのパフォーマンスを向上させることができました。レースが終盤に入ってからは、オーバーヒートのトラブルも発生しましたが、チームが的確な対応をしてくれたことでゴールまで走りきることができました。作戦でもピットストップでもチームが考え得る最高の仕事をしてくれました。チームの総合力によってタイトルを獲得できたと思います。シーズン半ばには、今年はチャンピオンの可能性はないと考えていましたから、今でも自分が3度目のチャンピオンになれたことが信じられません。タイトル獲得を本当にうれしく思います。多くの人々に感謝しなければなりません」