2017年インディカー・シリーズ第11戦アイオワ・コーン300がアイオワ州ニュートンにある全長0.894マイルのアイオワ・スピードウェイで開催され、2012年にインディカーチャンピオンに輝き、アイオワ・スピードウェイで過去3勝を挙げているライアン・ハンターレイ(Andretti Autosport)が15番グリッドから目覚ましい走りで上位へと進出し、今シーズン2度目の3位フィニッシュを飾った。
インディカー・シリーズで最も短いオーバルコースにおいてはハンドリングが非常に重要だが、ライアン・ハンターレイはプラクティスからマシンのセッティングに悩まされ、予選結果は15番手だった。しかし、予選後のプラクティスでマシンを向上させ、決勝に向けて、さらなるセッティング変更を施し、悩み続けていたハンドリングを一気にいいものへと変えることに成功した。マシンさえ自分の思い通りに仕上がれば、ライアン・ハンターレイは得意のコースでアグレッシブに戦うことができる。彼は50周をこなす前にトップ5まで進出。小雨による中断がある前には、少ない周回数だったが2番手を走行した。この後、ピットストップのタイミングをずらして優位を得ようとしたチームがいくつかあり、順位に変動が起こったが、300周のレースの240周を終えるころ、ライアン・ハンターレイは3番手まで順位をばん回した。そして、最後までポジションを保ち、前を行く2台との差を縮めながらゴールまで走り切った。ライアン・ハンターレイのすぐ後ろで、グレアム・レイホール(Rahal Letterman Lanigan Racing)が5位フィニッシュを果たした。ここ5戦で4度目のトップ5入り。グレアム・レイホールもスタートポジションは10番手だったが、レースの早い段階でポジションを大きくゲインした。バンクが急なアイオワのコースで、グレアム・レイホールはコーナーで高いラインを走ることがアドバンテージになることを発見したが、ライバル勢もレースが終盤に入ると同じように高いラインを走るようになり、5位より上のポジションに上げることはできまなかった。スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)もプラクティスからハンドリングを自分の思い通りのものに仕上げることができずに苦しんでいたが、しぶとい戦いをみせ8位でフィニッシュし、ポイントリーダーの座を守った。今日優勝したエリオ・カストロネベス(シボレー)に8点の差をつけている。佐藤琢磨(Andretti Autosport)は土曜日に行われた予選でHondaドライバーの最上位となる5番手につけた。しかし、レースでは非常に暑くなったコンディションにマシンのセッティングが合っておらず、徐々にポジションを落とす苦しい戦いを余儀なくされた。レース前半にマシンに異常が発生し、緊急ピットストップを行なった直後にフルコースコーションが発生するという不運もあり、佐藤琢磨は完走を果たしたものの結果は16位だった。ライアン・ハンターレイ (3位)「とてもハードなレースでした。周回を重ねる中でマシンをよくすることができました。週末のスタートではマシンが自分の好みに仕上がっていませんでしたが、私のクルーたちとエンジニアがレースに向けて最高のマシンを用意してくれました。やっとのことで自分が望むマシン、過去にこのコースでいい走りを実現できたマシンに近いものを手にすることができました。あと少しマシンをよくできていたら、前を行く2人ともバトルができたでしょう。優勝したエリオ・カストロネベスにおめでとうと言いたいですね。彼はもう長いこと、勝利のドアをノックし続けていました。彼がまた優勝するところを見ることができ、うれしく思います。今日レースを見に来てくれたアイオワのファンにもお礼を言いたいと思います。私はアイオワ・スピードウェイでのレースが大好きです。またナイトレースをここで戦いたいものです。ここでのナイトレースは最高ですからね」スコット・ディクソン (8位)「私たちにとっては、とても厳しい一日になっていました。ハンドリングが大きなオーバーステアになっていたからです。それを解消しようと、ピットストップではウイングの角度を変え、タイヤの内圧を調整し、コーナーウエイトも変更しました。しかし、マシンはオーバーステアのままでした。特にリスタート直後のハンドリングが悪くて苦労しました。しかし、周回を重ねて行くと右フロントタイヤの磨耗が進み、ハンドリングがアンダーステアになって、それは私たちの助けになっていました。今日の私たちはコーナーで高いラインを走ることしかできませんでした。低いラインではマシンがすぐにスピンしてしまいそうになっていたからです。そんな状況でしたから、今日のレースはクラッシュせずにゴールできたことを喜びたいと思います」佐藤琢磨 (16位)「困難なレースでした。すばらしい予選を戦い終えた僕たちは、とてもエキサイティングなスタートを迎え、上位のポジションを守りました。マシンは好調でしたが、スティントの半ばを過ぎるとバランスが崩れるとともにグリップが失われ、徐々に順位を落としていきました。第3スティントまでに、右リアタイヤになにか異常があることを見つけました。空気圧が上がらないという、通常は考えられない現象が起きていたのです。おかげでオーバーステアがひどく、予定外のピットストップを行ったために2ラップ遅れとなりました。ところがその直後にイエローが提示されたので、とても運が悪かったといえます。その後はラップダウンから抜け出ようと努力しましたが、簡単にはいきませんでした。今日はいいスタートが切れていただけに、とても残念です。こんなかたちでレースを終えるのは理想的とはいえませんが、できればトロント戦を力強く戦い、多くのポイントを獲得したいと願っています」関連:【インディカー】 第11戦アイオワ:カストロネベスが優勝、佐藤琢磨は16位
全文を読む