イギリスGPからの連戦となる第13戦サンマリノGPは、予選8番手から決勝に挑んだダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)が、今季初優勝を達成した。ペドロサは、オープニングラップは6番手。それから快調にラップを刻み、5周目に5番手へ。7周目に4番手に浮上すると、先行するバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、そしてチームメートのマルク・マルケスに続いた。
その時点で、トップを走るバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)から4番手のペドロサまでの差は約2秒だった。ペドロサは1分33秒台前半で快調にラップを刻み、14周目にマルケス、17周目にロレンソ、そして22周目にロッシをかわし、それからもペースを緩めず、最終的に3秒近いリードを築いて今季初優勝を達成した。ペドロサの優勝は、昨年のマレーシアGP以来、15戦ぶり。前戦イギリスGPを終えて総合5位にランキングを落としていたが、今大会の優勝で総合4位を取り戻した。予選4番手から決勝に挑んだマルケスは、オープニングラップは5番手だったが、4周目に3番手に浮上。その勢いで前を走るロッシとロレンソを追撃したが、思うようにペースを上げられず、中盤にはチームメートのペドロサに交われて4番手へ。さらに、先行する3台との差がなかなか縮まらないことから終盤は4位をキープする作戦に切り替えた。イギリスGP、サンマリノGPの2連戦で連続4位に終わったマルケス。チャンピオンシップを視野にミスのない走りに徹し、2戦連続で表彰台を逃すことになったが、5戦を残して2位に43点差で、2年ぶりのタイトル獲得に向けて、また一歩前進した。第11戦チェコGPで初優勝達成、第12戦イギリスGPで2位表彰台に立ったカル・クラッチロー(LCR Honda)は、8位でフィニッシュ。予選7番手からオープニングラップ7番手につけると、中盤までマーベリック・ビニャーレス(スズキ)と6位争いを繰り広げた。後半にペースが上がらず、ポジションを落とす苦しいレースだったが、しっかりポイントを獲得。レース終了後、レッドゾーンを通過したとのことで1.5秒加算のペナルティを科せられ9位に降格となったが、その後の審査で8位が復活した。ティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、2周目に転倒を喫し、ピットに戻ってペダルを交換、コース上に復帰して17位でフィニッシュした。チームメートのジャック・ミラーは、第10戦オーストリアGPで痛めた右手首の状態がよくなくて、決勝をキャンセルした。ダニ・ペドロサ(MotoGP 優勝)「すばらしいレースでした。こういう感覚を味わうのは久しぶりです。正直、自分でもこんなに速く走れるとは思ってもみませでした。今日のパフォーマンスには驚きました。とにかくファンタスティックなレースでした。勝敗を分けたのはペースでした。今日は自分のレースをしようと心がけました。一貫したペースで走り続けたることが勝因だと思うし、特にレース終盤は、前のライダーたちをパスすることができました。今シーズンは、ここまで大変だったので、個人的にとてもうれしいです。ファンや友達、家族、特にチーム、そして僕のまわりでサポートしてくれたすべての人にこの勝利を捧げます」マルク・マルケス(MotoGP 4位)「今日は厳しいレースでした。そして、自分にとっては、厳しい一日になりました。最初の数ラップは、バレンティーノとホルヘとの遅れを取り戻そうと全力で挑み、いい走りができました。しかし、次第にフロントタイヤが消耗してきてうまく走ることができませんでした。ダニに抜かれた後、彼についていこうとしました。しかし、今日は表彰台を狙うよりは、ミスをしないで完走することに集中しました。我々はここまで前進してきました。今日は数ポイント失っただけで終えられましたが、レースウイークを通してよかったと思うし、そのいい状態をレースにつなげられなかったのは残念でした。次のアラゴンではがんばります」カル・クラッチロー(MotoGP 8位)「今日は、チームとともにレースウイークを通じていい仕事ができたと思います。現状ではベストを尽くしました。ただ、8ラップ前後から汗のしずくがヘルメットのバイザーにかかり、残りの周回に影響がありました。いつもより汗をかいたせいかも知れません。ミサノは、本当に難しいコースで、セッティングのせいなのか、それとも自分の乗り方とフロントタイヤが合わないのかはわかりませんが、その戦いもありました。いつものようにベストを尽くしました。レースは、いいときもそうでないときもあります。1コーナーでは、バイザーが見えにくかったこともあり、5回ほどオーバーランを喫しました。レース後、1コーナーのオーバーランでペナルティを受けましたが、データーを提供してプラスになったことはなに1つないことを証明したことで判定は覆りました。今日の結果には満足していませんが、しっかり完走することができたし、次のアラゴンにつながるレースになりました」ティト・ラバト(MotoGP 17位)「1周目はとてもよかったのですが、その後にミスをしてしまいました。ブレーキングをミスして、フロントから転倒してしまいました。ペダルが壊れたのでピットに入りました。素早く直してくれたチームに感謝しています。その後、レースに復帰してからは、ペトルッチやブラドルのグループでいいリズムをつかみました。これから次のアラゴンに集中します」ジャック・ミラー(MotoGP 出場せず)「ミサノはシルバーストンに比べると体力的にかなり厳しいところです。そのため、毎日、完治していない右手が悪化していきました。マシンから降りるたびに腫れていきました。痛みはありませんが力が入りません。ここはハードブレーキングエリアが多いので、この問題を抱えたまま28周走ることは安全ではないと判断しました。今は体調を万全して戻ってくることだけを考えています」
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