ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2021年 第21戦 F1サウジアラビアGPへの意気込みを語った。今シーズンは、今週末のサウジアラビアGPからの2連戦を残すのみとなった。前戦カタールGPに続く、初開催のサーキット。首都ジェッダに設けられた、全長6.174kmの市街地コースが戦いの舞台となる。
市街地コースながらかなりの高速サーキットにレイアウトされ、250㎞/hを超えると見込まれる平均時速はイタリア・モンツァに次いでカレンダー中2番目になる。コーナー数は27だが、全開で抜けていく箇所も多く、ストレートと高速コーナーの組み合わせの先にある低速コーナーでオーバーテイクが頻繫に見られるかもしれない。こうした高速サーキットでは、当然ながらパワーが要求されるが、さらに一周の中でどのようにエネルギーを使っていくかのマネージメントも重要となる。「ドライバーズ/コンストラクターズの両チャンピオンシップを争っている我々ホンダF1にとって、最後の決着をつけるのに残されたのは2戦です。まずは今週末に初開催となるサウジアラビアに向かいます」と田辺豊治。「今回がF1初開催となるサウジアラビアのジェッダ・ストリート・サーキットは、紅海沿いの一般道を取り入れて設置された市街地サーキットです。しかし、モナコやシンガポールといった典型的な市街地サーキットとは大きく異なる特徴を持っています。スパ・フランコルシャンに次ぐ全長6.174kmとコース距離が長く、中・高速コーナーが連続したセクションを、コース両端でほぼ180度のコーナーで結んだようなレイアウトで、一般に市街地サーキットから連想される、90度コーナーが連続するものとは異なります」「長い全開区間を持つ高速サーキットと考えていますが、路面の状況や外気温・湿度などとともに、そのレイアウトの特異性を含めて実際に走行してみて分かってくることも多いと考えています。先日のカタールGPと同様に、実走データに即して迅速にセッティングを最適化することが求められますので、今週もエンジニア・メカニックにとっては忙しい週末になるはずです」「自分たちの目標を見据えて、ホンダF1プロジェクトに関わるメンバー全員そして両チームのメンバーとも一丸となり戦いに臨みます」