ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が、2020年のF1世界選手権 第16戦 F1サヒールGPの決勝後に記者会見を実施。“チャンスを物にできなかった”フラストレーションの溜まるレースだと振り返った。ホンダF1エンジン勢は、優勝を期待されたマックス・フェルスタッペンがオープニングラップでまさかのクラッシュリタイア。アレクサンダー・アルボンが6位、ダニール・クビアトが7位と入賞を果たしたが、決して期待通りの結果とはならなかった。
「今日はフラストレーションの溜まるレースでした」と田辺豊治は語る。「スタート直後、マックス(フェルスタッペン)がクラッシュした他車を避けようとして、バリアにクラッシュしてリタイア。アルファタウリの2台は中団グループの中でポジションを上げられず、アルボンも同様で、イライラする展開でした」「アルボンは6位でしたが、『良かったね』という6位ではありませんでした」「中東3連戦は良い形で終わらせたかったですが、ちょっと中休みという感じになってしまった。アブダビGPは気持ちを切り替えて、今年の集大成として臨みたいと思っています」F1サヒールGPでは、セルジオ・ペレスが優勝。レーシング・ポイントとしても初優勝であり、チームメイトのランス・ストロールも3位表彰台を獲得してダブル入賞という結果を出した。「ペレス選手の初優勝、レーシング・ポイントのダブル表彰台には祝福の言葉を送りたいと思います。メルセデスがピットでミスして沈んでいく中、今年速さを見せていた彼らがしっかりと結果を出した」「ラッセル選手も初日にトップタイム、予選ではボッタス選手の僅差につけ、最終順位は別として、レースでは実力を見せたと思います」「今日のレースは色々な意味でF1の良いところと悪いところが出たレースだったと思います。我々はうまくいきませんでしたが、そこは忘れて、明日から次のレースに向けて進めたいと思います」決勝ではメルセデスの2台がピットストップで自滅。仮にマックス・フェルスタッペンが普通にレースをしてれば、勝てたのだろうか?「メルセデス勢が自ら後退してくれたので、我々の勝てるチャンスは高かったでしょう。今年1年を振り返ってみると、そういうチャンスを今回も物にできなかったことのは非常に残念した」