2020年のF1世界選手権 第6戦目の開催地となったバルセロナ・カタルニア・サーキットは、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダの両チームにとってプレシーズンテストを行った馴染みのあるサーキットだ。しかし、プレシーズンテストとは異なるコンディションとなったこともあり、明日以降に向けて重要なデータを得たセッションになった。
先週のシルバーストンでのレースウイークと同じく、気温が上がったスペインGP初日の金曜日。路面温度はほぼ50℃に達し、タイヤのパフォーマンスを理解することが重要となった一日になった。フリー走行1回目、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは3番手、アレクサンダー・アルボンは8番手と両選手がトップ10内をマークした。アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは14番手、そしてクビアトは17番手となった。フリー走行2回目は、再びマックス・フェルスタッペンが3番手となり、ピエール・ガスリーが10番手でともにトップ10入りとなった。アレクサンダー・アルボン13番手、ダニールクビアト15番手となったが、クビアトと全体5番手のタイム差がわずか0.5秒と、僅差の結果となった。残りのレースウイークを通して今日と同じような天候が予想されている。今日の3時間の走行で得たデータを元に、このような気温・路温でどうPUの力を最大限に発揮できるかを解析し、土日に臨む。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「スペインGP初日、8月のバルセロナ・カタルニア・サーキットでの走行は2月のプレシーズンテストの際とは気温や路面温度などのコンディションが大きく異なる状況での走行となりました。両チームとも特にロングランペースは悪くないと感じており、PUとしても大きな問題のない一日になりました。今週末は3日間を通して本日と同じようようなコンディションが予想されていますので、本日のショートラン、ロングランのデータを解析し明日の予選、日曜日のレースに向けて最適化を進めます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「マシンのパフォーマンスはまずまずの手応えで、総合的に今日はポジティブな初日になりました。1周だけのタイムアタック時は明らかにメルセデスには届かないように見えるのですが、レースで重要なロングランではマシンの調子がよさそうに感じています。先週のレースウイークと違い、今週は一番硬いコンパウンドのタイヤを使用しています。僕的にはもう少し柔らかめが好きなのですが、今回はチョイスにないようです。タイヤは扱いやすいのですが、ここは本当に暑くてたいへんです! 予選もメルセデス勢が変わらずの速さを見せると思いますが、決勝はどうなるか誰も予想できないはずです。今日の走行で手応えを感じることができたので、日曜日どのようなレースになるか今から楽しみです」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「とても有益なレースウイーク初日になりました。周回を重ねながら、様々なテスト項目をこなすことができました。マシンに100%満足しているわけではなかったのですが、それでもFP2ではトップ10に入ることができました。しかし、先週末のように、ちょうどいいマシンのバランスが感じられないでいます。明日の予選でいいグリッドを獲得するために、マシンのバランスとパフォーマンスの向上をするべく、少し改善をして明日を万全に迎えたいと思います」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「FP1ではマシンにとてもいい手応えを感じることができたので、正しい方向に進めていると思います。FP2で試したことは思ったような結果にはなりませんでしたが、何が有効で何が無効かを見定める、それがレースウイークの金曜日ではないでしょうか。明日最大のパフォーマンスを発揮できるように、今夜データの解析をしていきます。先週のシルバーストーンよりも、タイヤの摩耗度合いは幾分マシだった気がします。しかし48℃もある路面温度の中でのレースは、きっとタイヤマネージメントが重要なカギとなるでしょう」ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)「今朝のセッションではトラブルなく走ることができ、実りのあるレースウイークの初日になりました。FP1の序盤に走ることができなかったのは残念ですが、FP2で遅れを取り戻すことができました。今日得たデータを集約して、明日の予選は自信を持って挑めそうです。現状のマシンの状況を理解し、トップ10入りを目指してコンマ数秒の差を縮めるべく、今夜チームと共に解析に努めます」
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