ホンダにとっての2008年シーズンは不運なスタートとなった。開幕戦オーストラリアGPの決勝レースは、ゴールまでたどり着いたマシンがわずか7台というサバイバルレース。その中でHonda Racing F1 Teamのルーベンス・バリチェロは、6位でフィニッシュするも、ピットレーンでの赤信号無視の違反で、失格に終わった。ジェンソン・バトンは、スタート直後にセバスチャン・ベェテル(トロ・ロッソ)との接触し、リアサスペンションにダメージを受けて1周目でリタイアとなった。
ジェンソン・バトン (リタイア)「スタートはよく、アロンソ(ルノー)をパスしてベッテルに並んだ。3台か4台のマシンが並んで、狭い高速な1コーナーに向かい、そこでダメージを負ってしまった。残念ながら、レースではよくあることだ。僕はベッテルのサイドポッドに接触し、それで彼はスピンしたようだ。そのまま彼はこちら側に寄ってきて、通り過ぎようとしている僕のリアホイールにぶつかった。ガレージに戻って修正可能か調べようとしたが、左リアのトラックロッドが壊れていて、ダメージが大きすぎた。僕らにとっていいスタートで、パフォーマンスに勇気づけられた。来週のマレーシアでまたマシンをドライブすることを楽しみにしている」ルーベンス・バリチェロ (失格)「最終結果はとても残念だが、今日のパフォーマンスや、マシンからベストを引き出せたことにはとても満足している。波乱のレース展開で、最初のピットストップのあとにフロントダンパーにダメージを負ってしまい、その後のレースが難しくなった。今日のような日に完走することはとても大変なことだ。この週末の様子から、マシンはすばらしいポテンシャルを持っていると感じた。ファクトリーでは、ここ数週間で最高の仕事をしてくれたと思う。レース距離を走ったことで、よりマシンの理解を深めることができた。今はマレーシアGPを楽しみに、マシンをマレーシア向けに調整していきたい」ロス・ブロウン チームプリンシパル「2回目に、予定通りピットストップをしようとバリチェロに指示したあと、すぐにグロックがクラッシュして、セーフティカーが導入された。これでピットレーンがクローズされ、給油をすると10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが科されることはわかっていたが、バリチェロの燃料はもうなくなっていたため、彼を呼び戻すほかに方法はなかった。ピットストップ作業中には、燃料ホースがマシンから外されるほんの少し前に、ロリポップが上がってしまった。そして、ピットストップのあと、ルーベンスは赤信号なのにピットレーンを出てしまい、明らかにこれはレギュレーションに触れる行為だった。厳しい状況が続いたが、それまではルーベンスは全力でドライブしていた。彼はいいスタートを切り、19周にわたってライコネンを後ろに従え、果敢な走りを見せた。そういったことが、この週末、我々が得ることができたポジィティブな面だ。予選では中団の速さを見せていた。そして、今日のレースでは、我々の目標であるポイント獲得が可能な力を見せた。メルボルン向けの空力パッケージがうまく機能していたが、グリッドを上げ、予選の最終セッションの常連になるように、さらなる進歩が必要だ」
全文を読む