ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、トロロッソ・ホンダはF1カナダGPで導入した新パワーユニットとオーストリアGPで導入した新シャシーのどちらもまだ生かし切れていない状況だと明かす。今年はシャシー、そしてパワーユニットの両方において中団グループでの戦いは激化の一途をたどっており、最近投入したアップデートも、ホンダがまだ安定した結果を残すことができていない状態となっている。
ホンダF1は、F1カナダGPで内燃エンジンのパフォーマンスに重点を置いたアップグレード版パワーユニットを導入。20~30馬力のパワーアップを果たしたとされてるが、特にフェラーリは同グランプリで導入した新スペックのパワーユニットで大きな改善を示しており、その差は縮まっていない。逆にトロロッソ・ホンダのライバルでハースやザウバーは大きなパフォーマンス向上を果たしたことでその差は広がっている状態だ。トロロッソ側のF1オーストリアGPで新型フロントウイングを含めた空力アップグレード、F1イギリスGPではフェラーリ型の“空洞ミラー”を導入したが、風洞データとの相関関係に問題があるとみられ、パフォーマンス向上は果たせていない。ホンダのF1テクニカルディレクターを務める田辺豊治は、まだパッケージ全体のセッティングを探っている状態であり、マシンの性能を最大限に発揮するべく、さらに進化を続けていくつもりだと話す。「オーストリアでアップデートを投入してから、まだパッケージ全体でのセッティングを探っている状態です。ホッケンハイムに関しても、まだまだ学ばなくてはならないことがたくさんあります」「カナダで投入した新パワーユニット、そしてオーストリアで投入した新シャシーに関して、チームはまだ学習を続けています」「その学習が実を結ぶにはまだ時間がかかるかもしれませんが、いい方向性に近づいていることは間違いありません。このペースを保ちつつ、作業を続けていきます」トロロッソ・ホンダは、先週末のF1カナダGPで揃って予選Q1で敗退。決勝ではブレンドン・ハートレーがなんとか1ポイントを獲得したものの、雨とセーフティカーによる運が作用したのも事実だ。「ここ数戦を観ると我々のパッケージにはまだ課題が多いと思っています。来週のハンガリーGPにむけて早急に現状分析を行い、パフォーマンス改善に努めます」と田辺豊治も危機感を強めている。
全文を読む