ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、ルノーのエンジンを搭載するチームのパフォーマンス差によって、コース上でホンダとルノーのF1パワーユニットのレベルのギャップを判断することは難しいと語る。ルノーとホンダはF1カナダGPでF1パワーユニットにアップグレードを導入。同時にフェラーリもアップグレードを施し、メルセデスも少し遅れて新スペックのパワーユニットを導入している。
だが、各チームのマシン間での差は大きい。例えば、ルノー勢でいえば、パワーユニットの実力差が大きく出るF1イギリスGPの予選でレッドブルの2台が5番手と6番手に入ったのに対し、ルノーはニコ・ヒュルケンベルグが11番手、カルロス・サインツがQ1で敗退して16番手。マクラーレンはフェルナンド・アロンソが13番手、ストフェル・バンドーンはQ1で敗退して17番手で終えている。トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが14番手であり、ルノーとマクラーレンの片方のマシンには負けている。「コース上でパワーユニットのパフォーマンスを分析したり、評価するのはちょっと難しいです」と田辺豊治は RACER にコメント。「例えば、ルノーは多くのチームに供給していますが、彼らの間には大きな差があります。ルノーのパワーユニットが全てのマシンに同じアウトプットを供給しているかどうかはわかりませんが、6台が同じパワーユニットのアウトプットであることが事実であるならば、彼らの際は非常に大きいです。ですので、理解するのは難しいですし、評価するのは難しいです」特にホンダは昨年までの3年間、マクラーレンからパフォーマンス不足の原因がエンジンであると刷り込まれていたため、マクラーレンの不振はさらに判断するのは難しいだろう。ホンダは、2019年からレッドブル・レーシングにパワーユニットを供給することが決定。すでにトロロッソとの作業を行っているホンダは、レッドブル・テクノロジーを通して、今後さらなる分析を進めていくことになる。レッドブル・レーシングのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、今季のフェラーリのF1エンジンはパフォーマンス面でメルセデスを上回っており、その差を埋めるためにも来季からホンダにスイッチするという決断は間違ってはいない語る。「現在ではフェラーリのエンジンがベンチマークに設定されていると思う。ハースとザウバーも好調をみせている」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「変化のための時ということだ。ルノーに関しては毎年同じことの繰り返しだ。だが、ホンダはいい進歩を遂げている。私はこれが正しい選択だと考えている」「全員がどういうレベルにあるのか非常によくわかったと思うし、現時点ではホンダとルノーは似たような状況にあると私は思っている」「重要なのは潜在的な開発能力だ。今週末に我々が目にした統計を隠すことはできない。埋められるギャップではなかったが、ホンダとなら埋められることを期待している。ホンダが現在進めているものをかなり信じている」
全文を読む