ホンダの新井康久は、ホンダから与えられたマクラーレンのF1復帰において体制を確立させるというタスクを成し遂げたと感じていると述べた。新井康久(59歳)は、今月末でホンダのF1プロジェクト総責任者の役割を退任。後任はBARホンダのプロジェクトでF1での仕事を経験した長谷川祐介が就くことが発表された。
昨年、マクラーレンとのパートナーシップを再開してF1復帰を果たしたホンダが、パワーユニットの信頼性とパワー不足に苦しみ、新生マクラーレン・ホンダはコンストラクターズ選手権9位という成績でシーズンを終えた。「私は与えられたタスクを果たすことができました」とバルセロナを訪れている新井康久は述べた。「私は特定の役割をこなすために配置され、自分にできるベストを尽くしました」「皆さんが期待していた結果を成し遂げることができたかどうかと言えば違います」「大きなタスクでしたし、結果は厳しかったですが、個人的には非常に難しく、大きなプロジェクトの始まりだったので、その一部になれたことを嬉しく思います」退任のタイミングについて、新井康久は、60歳になったときにスタッフが引退するのがホンダの企業ポリシーだと説明した。「純粋に私は企業ポリシーにおける定年に達しました」と新井康久は説明。「日本企業には定年があります。私は今年60歳になりそれを迎えます。それが理由のひとつです」「年々、私の定年が近づいていますし、タイミングについては、私の決定ではなく、会社が決定することです。会社がタイミングを決定しますし、それが会社の決定です」「シーズン前なので最適なケースかもしれません。若い長谷川さんにバトンを渡さなければなりません。良いタイミングだと思います」毎年、ホンダは4月1日付けで組織変更を実施するが、今年はシーズンが開始する前に実施できるように発表を出したと述べた。ホンダの広報は「単なる人事異動ではありません。組織変更でもあります」とコメント。ホンダは、F1に関わる全般の統括・監督責務を担い体制を強化するため、本田技研工業にF1担当役員を新たに設置。松本宜之が就任した。「F1に対するホンダのサポートとコミットメントを強化するために他の人員が配置されました。そこには他のチーム役員とホンダR&Dの代表も含まれます。これは毎年の組織変更および人事異動の一部です」「文化的な違いです。我々は大きい小さいにせよ、毎年、組織変更を行っています。通常は4月1日付けです。トラックとF1の責任を監督する組織をセットアップする必要があったので、前倒しで組織変更を発表しました。全体的にF1プロジェクトを強化することがホンダからのより多くのコミットメントです」新井康久は、タスクを終えられないことに失望はしていないと語る。「個人的には栄光ではありませんでした。長く存続するタスクです」「私はそのタスクの自分の部分を成し遂げました。自分にできるベストを尽くしてそれを果たしたと感じています。終わりに達したとはみなしていません」「プロジェクトを引き継ぐには長谷川さんが最も適任だということをわかっています。それについて疑いはありません」新井康久は、3月1日(火)に正式に長谷川祐介へと引き継ぎを行う予定となっている。長谷川祐介は「状況をキャッチアップする必要があります」とコメント。「大きな責任とプレッシャーを感じていますが、非常に興奮してもいます」「いくらかF1での経験がありますが、もちろん、レギュレーションが完全に異なりますし、まだ学習過程にあります」