ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める新井康久は、鈴鹿で惨敗を喫したマクラーレン・ホンダへの一方的な非難を止めさせる必要があると考えている。ホンダの幹部が見守る中、同社が所有する鈴鹿サーキットで、新生マクラーレン・ホンダは完全崩壊ともいえる状況に陥った。ジェンソン・バトンは不甲斐ない戦いにF1引退をちらつかせ、フェルナンド・アロンソは“GP2エンジン”で“恥ずかしい”レースだったと侮辱的な発言を無線で浴びせた。
マクラーレンとホンダとの間の状況について質問された新井康久は「コミニュケーションはとても良いです。毎日良くなっていますよ」と El Pais にコメント。「なので、最近私が受けたハラスメントや攻撃があまり理解できません。拷問を受けたモンツァは特にですね」F1イタリアGPでは、マクラーレンが開いた記者会見でホンダの新井康久に対し、主に英国メディアから集中砲火が浴びせられた。彼らは新井康久にパワーユニットについて謝罪し、プロジェクトから降りるように求めた。「ホンダは、我々と上位チームとの差に気づいています。そして、我々はそれに取り組むために何をしているかわかっています。ですが、我々(ホンダ)に全ての非難が向けられるのは残念ですし、悲しいです」だが、マクラーレン・ホンダの提携はますます崩壊への一路を辿っているように映っている。日曜日には病床に伏していたロン・デニスがわざわざ鈴鹿を訪れ、マクラーレン・ホンダが団結したままであることを主張した。ホンダはマクラーレンにサポートされていると感じているかと質問された新井康久は「技術的な点ではそうですね」とコメント。「ですが、モンツァに話を戻させてもらえば、プレスの辛辣さは達すべきではないレベルのものでした。もちろん、我々も失望していますが、消極性は何の役にも立ちません」マクラーレンにもっと多くを期待したかとの質問に新井康久は「正直、そうですね」と認める。「このような状況を作らないことがチームの責任です。ひとつのチームとして、我々は団結し、仕切りを作らないようにあらゆることをしています」「ホンダは常に正直でしたし、我々は自分たちがどこにいるか、どこを改善する必要があるかを説明してきました。ですが、それはチームとしてなされたことではなかったですし、全員がそれを話した方が良かったと思います」新井康久は、ホンダがF1の厳しいスポットライトに晒されるよりも、今年は舞台裏でパワーユニットに取り組んだ方が良かったかもしれないと認める。「非常に難しいだろうことはわかっていましたが、同時に2015年にここにいれば、我々は多くのことを学ぶことができます」「それでもやはり、全てがエンジンの責任というわけではないです。シャシーに関してもプロジェクトはかなり苦しんでいます」新井康久は、ホンダの内燃機関は優れているが、大きな問題はエネルギー回生にあると認める。鈴鹿のようなロングストレートのあるトラックでは、ドライバーは時々160馬力のパワーダウンを強いられている。「今年そこを解決するのは難しいです。再設計する必要がありますからね。ですが、我々は来シーズンを目標にすでにそこに取り組んでいます」