ホンダは、F1撤退記者会見で、英国のHonda Racing F1 Team、エンジンの供給を行ってきたHonda Racing Development Ltd.の売却についての見解を語った。大島裕志モータースポーツ担当執行役員は、チームの具体的な売却先などの明言は避けたが、3月の開幕戦を考えると早急な決定が必要であるとの見解を述べた。
「チーム売却の見通しについては、まだこの決定がされて動き出したばかりですので、今はなんとも申し上げられません。期間ですけれども、これについても今、申し上げられることはございません。ただ、来シーズンのスタートの地点を考えるれば、早急に決定しないと話は成立しないというのは皆さんもおわかりになると思います」「売却額等については、交渉などいろいろありますが、私が考えておりますのは、もしそれによってチームとしての存続が可能であれば、そういう非常に低い金額でもいいんではないかと今は考えています」大島は、チームが存続できるのであれば、今あるエンジンを供給することを検討しているが、エンジンの製造はしないことを強調。それ以降のエンジンに関しては売却先のチームに委ねることになると語った。「HRF1には、契約社員を含めましておよそ700名の社員の方がおります。それからHRDには40人ほど社員の方がいらっしゃいます。確かに今現在、開発しているマシンは、ホンダのエンジンがベースになっております。今考えておりますのは、エンジンがないと今後やるとしても難しいところがありますので、今あるエンジン、これである程度の活動を行えないかということで検討をしてます」「エンジンがどのくらいあるか精査してますが、完全にフルシーズンを戦えるエンジン数はありません。売却されたチームが、新たなエンジンでやっていくかはわかりませんが、新たなエンジンは作りません」福井威夫社長も、現地のスタッフおよび新たな売却先に判断を任せるつもりであることを明らかにした。「ホンダの意思と言うよりは、現地のロス・ブロウンをはじめ、彼らの状況をある程度配慮して考えているだけで、我々が別にどうということではありません」「売却先に関しては、あくまでも現在数100人いる現地のF1チームのエンジニアたち、彼らが出来るだけいい形でもし継続できるのであれば、それが一番だと思ってます」また、福井社長は、今回の撤退はF1からの完全な撤退であり、将来については全くの白紙であると勝った。「エンジン供給等の継続というのは今後考えていません。中途半端な参加にはしたくないと思っています」「将来のことは、今申し上げることではなくて、今回は完全な撤退で将来のことは白紙です」