7度の世界王者ルイス・ハミルトンは、シンガポールGP予選で6番手に終わったあと「フェラーリはセッションの進め方をもっと最適化する必要がある」と語った。ハミルトンはQ1でトップタイムを記録し、ポール争いに絡むかと思われたが、肝心のQ3では競争力が落ちてしまった。最終的にチームメイトのシャルル・ルクレールを今季5回目となる上回り6番手につけたが、ポールを獲得したジョージ・ラッセル(メルセデス)からは0.5秒以上遅れての結果となった。
「週末を通して楽しめたし、調子も良かった。Q1ではとても強さを感じて、“もしかしたら上位争いができるかも”と思った」とハミルトンは語った。「でも、ピットレーンで待機している間にタイヤの温度を失い、アウトラップでタイヤを使ってしまう。そうした細かいことが積み重なって、セッション全体を最適化できなくなる。セッションをもっと良く運営できるよう改善が必要だ」フェラーリがこの問題をどう解決できるか問われると、ハミルトンはこう答えた。「バックグラウンドで話し合うことになると思う。会話を重ねてプロセスを改善していかないといけない。みんな全力で働いているけど、他のチームが何をしているのかを見て学ぶ必要がある。メルセデスは最初にコースに出て、タイヤの温度を失うことなく前方にいた」「僕らはピットレーンの端でエンジンを切って待機して、5〜6度も温度を落としてしまった。それをアウトラップで取り戻すのは難しい。Q3ではグリップがなくなって、タイヤのせいでパフォーマンスを0.5秒も失った。それがすごく残念だけど、明日はベストを尽くすよ」フェラーリの課題はどこに?チーム代表のフレデリック・バスールは、パフォーマンス低下の一因はタイヤの準備と扱いにあると説明した。「アップダウンの激しい週末だった。FP1やFP2序盤では良いペースを見せていたが、今日はQ1までは問題なくても、その後ペースを少し失ってしまった」とバスールは英Sky Sports F1に語った。「我々だけでなく、タイヤや準備の面でもギリギリの状態だった。シャルルの最後のラップも第3セクターまでは良かったが、最後のセクターで全てを失った。今は明日に集中して、何ができるかを見ていく。チャンスはあるはずだ。レースは長いが、シンガポールはオーバーテイクが簡単ではない」元同僚バトンもハミルトンを称賛元チームメイトのジェンソン・バトンは、ハミルトンがルクレールを上回ったことを評価した。「マクラーレンからコンマ1秒半遅れは、普通なら“まずまず”とされるけど、今回は他のチームが入り混じった特殊な予選だった」と2009年のF1王者バトンは語った。「ルイスにとっては、小さな勝利でも重要だと思う。今季は厳しいシーズンを送っているから、ルクレールを上回るというのは大きな意味があるし、これが今後の自信につながるはずだ」