ハースF1チームは14日(水)に全チームに先駆けて2018年F1マシン『VF-18』の画像を公開。そこにはフェラーリの昨年モデル『SF70H』と多くの類似点が確認できる。ハースF1チームは2016年にフェラーリとの緊密な技術パートナーシップの元でF1に新規参入。初代マシン『VF-16』にはフェラーリの多くのコンポーネントが流用されていた。
昨年は大幅なレギュレーション変更が施行された関係でフェラーリも独自の開発に追われたことでその利点を生かし切ることができなかったが、それでもハースF1チームはマクラーレンを上回り、コンストラクターズ選手権8位でシーズンを終えている。今季はマクラーレンやザウバーが飛躍を遂げることが予想されており、ミッドフィールド争いに踏みとどまるためにハースF1チームはパフォーマンスを大きく改善させなければならない。しかし、今季はレギュレーションが比較的安定していることもあり、ハースF1チームはフェラーリとのパートナーシップを再びフルに活用することができる。ハースのチームプリンシパルを務めるギュンター・シュタイナーは「VF-18は昨年からの進化版だ。今年のクルマには昨年の要素が見られると思う」と語っているが、公開されたマシンを見れば、それはVF-17だけでなく、SF70Hを含め、他チームが採用していたコンセプトが数多くみられる。ハース VF-18は、フェラーリの最新F1パワーユニット「063」を搭載し、ギアボックスもフェラーリ製。フロントにプッシュロッド、リアにプルロッドとフェラーリの昨年モデルと同様のサスペンションレイアウトを採用する。基本的な空力フェアリングはコックピット保護デバイス『Halo』を取り囲み、リアではシャークフィンを規制するレギュレーションのエリアを最大限に占めたエンジンカバーが搭載される。ハース VF-18の大きな変化はフロントウイングからスタートする。昨年末のデザインとは異なり、マクラーレンに類似したデザインが施され、ダウンフォースの生成と気流をコントロールしようとしているのが見て取れる。アッパーフラップは“Y250ボルテックス”に対して作用する複雑な形状となっている。ノーズの寸法や角度はよりフェラーリ SF70Hに近いものになっている。そこからはフェラーリからの影響が色濃く出てくる。バージボードまでできる限り多くの気流を整えるためにノーズの裏まで浸透しているシャシー下のベインは、ほぼフェラーリ SF70Hのコピーと言える。複数のインレットを備えた複雑なサイドポッドは最もフェラーリからの恩恵を受けている部分といえる。Haloのためのクラッシュテストを通過するためにはサイドインパクト構造の再配置が必要となり、ハースにとっては大きな課題だった。サイドポッドにはフロントタイヤからの気流を迎え入れてドラッグを減少されるためにルーバーが設計された大きなデフレクターが装着される。エアボックスは、フェラーリが昨シーズン後半に導入したサイドポッドの設計を損なうことなく、パワーユニットや他の冷却系に効率的に空力を導く分割エアボックスを採用。エンジンカバーの後端の下部にはTウイングの役割を果たす“ギアボックスウイング”が搭載される。
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