今週末のバルセロナで、フォース・インディアの最後のレースシートを賭けた“シュートアウト”が行われる。2000年にウィリアムズがジェンソン・バトンとブルーノ・ジュンケイラ、2005年にニック・ハイドフェルドとアントニオ・ピッツォニを競わせたように、今年はフォース・インディアのシートを巡ってエイドリアン・スーティルとジュール・ビアンキが対決する。
だが、フォース・インディアの状況は単なる実力勝負とはいかない。ポール・ディ・レスタのチームメイトの座を射止めるには、スポンサーシップと自動車メーカーとの繋がりが複雑に絡み合っている。フランス人記者のジャン・ルイ・モンセは、ジュール・ビアンキには“資金がない”ため“心配だ”と述べた。ジャン・ルイ・モンセは「2014年にジュールがフォース・インディアで走るのは確実だ」と Auto Plus にコメント。「だが、2013年は資金力が重視されており、フェラーリが資金面でジュールを支援でもしない限り、スーティルか(ナレイン)カーティケヤンの方がチャンスは大きい」だが、Auto Motor und Sport は、ジュール・ビアンキは400万ユーロ(約5億円)の資金を持っていると報道。ジュール・ビアンキのシート獲得は、フェラーリとの繋がりが大きいが、ミハエル・シュミット記者は現在フォース・インディアにエンジンを供給しているメルセデスとエイドリアン・スーティルとの繋がりを指摘する。つまりは、フォース・インディアの2つ目のシートは、2014年以降のエンジンサプライヤーとフォース・インディアの話し合いが鍵になる。ミハエル・シュミットは、メルセデスはV6エンジンに2,100万ユーロ(約26億3,000万円)を要求しているのに対し、フェラーリ側の要求は1,700万ユーロ(約21億3,000万円)だと述べた。しかし、バルセロナテスト初日にパドックで流れた噂によると、メルセデスはギアボックス契約も持ちかけているといい、そうなるとエイドリアン・スーティルが優勢に立つかもしれない。