F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、同組織史上初のCEOに就任したナタリー・ロビンが今月末で退任することを発表した。2022年11月に任命されたロビンは、2021年末にモータースポーツ統括団体のトップに選出されたモハメド・ビン・スライエム会長がFIAの管理体制を近代化しようとする取り組みの中心人物だった。
当時、ビン・スライエムはFIAの運営やガバナンス、財政管理を改善するため、資格と経験を備えたマネジャーの導入を主張した。そして、CEO職のヘッドハンティングの結果、スイスのボルボ・カーズでCEOを務め、ダイムラー・クライスラーや日産でもさまざまな管理職を歴任したロビンが選ばれた。在任中、ロビンはFIAの運営組織の全面的な見直しを監督し、プロセスの合理化と効率化を目指した。さらに、組織内の透明性と説明責任を高めるためのガバナンス改革を推進した。財務の安定性も焦点のひとつで、ロビンの努力はFIAのより持続可能な財務基盤の確保に貢献した。ロビンの次の移籍先の詳細は不明だが、自動車業界への復帰を望んでいるとの報道もある。FIAが発表した声明の中で、ロビンはこの変革期をFIAを率いる機会を与えられたことに感謝の意を表した。「FIAのCEOを務めることは非常に名誉なことであり、再編と改革のプログラムを指揮できたことに感謝しています」とロビンは語った。「今こそ、組織が今後の課題に対してより有利な立場にあることを認識して、一歩踏み出す時期です」「私はスポーツとモビリティの両面でFIAの変革を推進するという自分の役割に大きな誇りを持っており、才能と献身的な個人の素晴らしいチームで構成される組織を離れることを嬉しく思います」FIA会長のモハメド・ビン・スライエムは「ナタリーの任命はFIAの歴史の中で初のCEOとして注目に値する」と語った。「彼女は、我々の運営・管理構造と財政的持続可能性の広範な再編に多大な貢献をしてくれた。FIAを代表して、彼女の今後の活躍を祈る」FIAはここ数カ月間、注目を集める人物の退任を何人か経験している。昨年はスポーツディレクターのスティーブ・ニールセン、シングルシーターテクニカルディレクターのティム・ゴス、そしてFIA女性モータースポーツ委員会の委員長を辞任したデボラ・メイヤーが辞任した。ロビンの退社によって、F1パドック内では、プロとしての原点に戻りたいという願望以上のものがあるのではないかと推測する者も出てくるだろう。
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