FIA(国際自動車連盟)は、2023年に開催された2つのF1イベントにおける妨害疑惑に関して、モハメド・ビン・スライエム会長の不正行為の嫌疑を晴らした。FIAの倫理委員会による調査では、ビン・スライエムがレースの決定に事実上介入したという主張には何の根拠もないことが判明した。
具体的には、ジェッダで開催された2023年サウジアラビアGPで、ビン・スライエムがフェルナンド・アロンソに科せられたペナルティの結果に影響を及ぼそうとしたという告発について調査が行われた。最初のペナルティはアロンソのグリッド位置が不規則だったことによる5秒加算だった。アロンソはこのペナルティをセーフティカーピリオド中に消化した。しかし、ピットクルーがアロンソのマシンの作業を早まったとスチュワードが判断したため、さらに10秒のペナルティが科せられた。この追加ペナルティによってアロンソは表彰台から4位に後退。アストンマーティンはペナルティに異議を唱えることに成功し、翌日の取り消しにつながった。ビン・スライエムに対する2つ目の疑惑は、ショーケースイベントが開催される数日前にラスベガスGPのトラック認定を承認したことに関するものだった。FIA会長の命令で「関係者」がラスベガスのサーキットをレース用に安全に通過させない方法を見つけるよう指示されたと主張されている。しかし、関係者はサーキットに懸念事項を見つけることができなかったため、サーキットがレースに適していると認定した。両方の申し立ては同じ内部告発者によって提起され、伝えられるところによるとFIAスタッフの一員であるという。「FIAコンプライアンス部門は、外部アドバイザーの支援を受けて、2023年のF1イベント中にスポーツ上の決定に干渉する可能性がある疑惑について徹底的な調査を実施した」とFIAの声明には記されている。「調査結果を検討した結果、倫理委員会は全会一致で、モハメド・ビン・スライエムFIA会長が関与したある意味で干渉の疑惑を立証する証拠はないと判断した」「干渉の可能性に関する懸念はFIAコンプライアンス・オフィサーの注意を引き、その後、FIA規約第32条2項5号に基づき、FIA倫理委員会に伝えられた」「その後、11人の証人との面談を含む、30日間に及ぶ強固で広範な独立審査が行われた。「FIA会長に対する疑惑は根拠のないものであり、FIA倫理委員会の判断を裏付ける合理的な疑いを超える強力な証拠が提示された」「FIA会長は、(i)サウジアラビアGP2023でアストン・マーティン・アラムコ・コグニザントF1チームの挑戦を受けて14号車に追加ペナルティーを科したスチュワードの決定を妨害、(ii)ラスベガスGP2023のトラック認証プロセスを妨害しようとしたとの疑惑に関して不正行為がなかったとされた。認証は期限内に完了し、承認された」「今回の捜査過程における会長の全面的な協力、透明性、コンプライアンスに大変感謝している」