今年からF1スプリントラウンドが3戦から6戦に増加し、F1のエントリーフィーのペイ・パー・ポイントの性質上、来シーズンはFIA(国際自動車連盟)が利益を得られることになる。スプリント戦の増加は昨シーズン、F1統括団体とフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)が共同で開催したFIAの世界モータースポーツ評議会で承認されたものだが、今年はファンにより楽しんでもらえるようなフォーマットに調整が加えられた。
来シーズンに向けてさらなる変更が加えられるかもしれないが、FIAにとってはスプリントラウンドを増やすことで経済的なメリットがある。スプリント週末の追加によりFIAエントリーフィー収入が増加「ステファノ・ドメニカリとFOMの同僚たちとの緊密な協力のおかげで、我々はスプリントセッションの追加による影響に関する徹底的な分析を終え、スプリントセッションが非常に高いレベルで規制され続けることを保証するために、我々の作業の関連パラメーターを調整した」とFIA会長のモハメド・ビン・スライエムは、昨年の増枠発表後に語っている。「スプリント・セッションはレース週末のフォーマットにエキサイティングなダイナミズムをもたらし、過去2シーズンで人気を博していることが証明されている。このポジティブな傾向は今後も続くと確信しており、本日、世界モータースポーツ評議会がスプリントセッションの実施を承認したことをうれしく思う」スプリント・フォーマットの最初のトライアル・シーズンでは上位3人にのみポイントが与えられていたが、昨年からは3戦合計で上位8人にまで拡大された。このため、通常の場合よりも108ポイント余分に与えられることになり、翌シーズンのF1再参戦のためにFIAに与えられる金額は、前シーズンのチームとドライバーのポイントに基づいて決定される。要するに、ポイントを多く獲得すればするほど、来季のエントリー料は高額になる。レッドブルは来年グリッドに復帰するために記録的な請求額を設定しており、これは彼らの成功の代償だ。そのため、昨年の3つのスプリントでポイントスコアラーを上位8人にまで拡大したことで、FIAは2023年のコンストラクターズ選手権を基準に、チームからのエントリー料だけで70万8,850ドル(約1億円)の追加収入を得た。その上、ドライバーはFIAスーパーライセンスの更新料も支払わなければならず、一律10,400ユーロに加え、前年度の獲得ポイント1ポイントにつき2,100ユーロが加算される。マックス・フェルスタッペンはこのルールを「不合理」と表現したが、彼(あるいはレッドブル)が来年スーパーライセンスに100万ユーロ以上を支払わなければならないことを考えれば、驚くには当たらない。しかし、昨年の108ポイント追加で22万6,800ユーロ(約3600万円)を稼ぎ出し、チーム手数料と合わせると、昨季の3回のスプリントでFIAは2023年シーズンの追加手数料として約95万1,350ドル(約1億4000万円)を得たことになる。F1スプリント6戦でFIAはいくら稼いだ?2024年F1のエントリー料金が発表され、チームが来年グリッドに復帰するためにインフレに合わせて6.5%値上げされることになった。スプリントが3戦から6戦に増えた結果、216ポイントが追加で与えられ、その大部分はコンストラクターズチャンピオンであるレッドブルが獲得した(1ポイントあたりのレートは7,893ドル、それ以外のチームは6,575ドル)ため、FIAは2024年のエントリー料の一部として2023年にF1スプリントで与えられたポイントだけで151万2,460ドル(約2億2800万円)の追加収入を得ることになる。ドライバーのスーパーライセンス料45万3,600ユーロ(2023年の数字に基づく、2024年のスーパーライセンス料はまだ発表されていない)と合わせると、FIAの純収入は今年のF1スプリントに基づくエントリー料とスーパーライセンス料で200万ドル(約3億円)弱となり、2024年シーズンに先駆けて徴収されることになる。