FIA(国際自動車連盟)は、F1チームが2020年のF1カレンダーに追加されたイモラ・サーキット、ムジェロ・サーキット。アルガルベ・サーキット、ニュルブルクリンクで旧型F1マシンで事前にテストを実施することを禁止した。F1の規則では現行マシンでのインシーズンテストが禁じられているが、F1チームはFIAの許可を得れば、2年落ち以下のF1マシンを使用して走行距離無制限のテストを実施することが許可されている。
2020年のF1世界選手権は新型コロナウイルスの影響を受けてカレンダーが大幅に変更。イモラ・サーキットとニュルブルクリンクでのグランプリの復活とともに、これまでF1レースを開催したことがないムジェロ・サーキットとアルガルベ・サーキットが追加された。そのため、一部チームは新たに追加された4つのサーキットでグランプリが開催される前に旧型F1マシンでの事前テストを計画していたとされている。しかし、F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンは、F1チームが新たに追加されたサーキットで事前に走行してアドバンテージを得ることに反対。シーズン開幕前のテストでも明らかになったが、F1チームのなかには財政的な理由やエンジンサプライヤーの変更によって旧型F1マシンを用意できないチームがいる。FIAは、オンラインで投票を実施。各チームはテストの禁止に同意した。2020年シーズンの開幕直前には、フェラーリがムジェロ・サーキット、アルファタウリ・ホンダがイモラ・サーキットで事前にテストを行っているが、その時点で上記2つのサーキットでのグランプリ開催は決定していなかった。ニュルブルクリンクでF1が開催されるのは2013年のドイツGP以来となる。F1ポルトガルGPの舞台となるアルガルベ・サーキットは2009年にF1テストが開催されたことがある。F1エミリア・ロマージャGPとして開催されるイモラでのレースは2006年以来となり、2デー開催で土曜日に1回の90分のプラクティスのみという変則的なスケジュールで開催される。現役F1ドライバーで以前にF1マシンでレースをしたことがあるのはキミ・ライコネン(アルファロメオ)ただ一人となる。