FIA(国際自動車連盟)のF1レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは、F1ブラジルGPでセバスチャン・ベッテルが計量台を“破壊”して処罰されたF1の予選における計量手順に関する不満に反論した。セバスチャン・ベッテルは、Q2の序盤にランダムで計量チェックに呼び出されたが、変化するコンディションで急いでアタックしたかったことで、オフィシャルの指示に従わず、自走して計量台に乗ったことを含めた違反を犯し、5000ユーロ(約322万円)の罰金と戒告処分を科せられた。
その時点でフェラーリは、決勝を硬い方のタイヤでスタートする賭けにでるためにセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンにラップを中断してピットに戻るように指示しており、二人ともまだタイムを計測していなかった。セバスチャン・ベッテルによっては重要な時間であったため、計量台で停止することで遅れが生じることに不満を抱いていた。ダニエル・リカルドは、現在のステムは“不公平”だと語り、計量に呼ぶのはラップタイムを設定したドライバーのみにするようルールを変更するべきだと提案していた。しかし、チャーリー・ホワイティングは、チーム側はレギュレーションを知っており、ランダムでチェックに呼ばれる可能性も含めて戦略を計画するべきだと主張した。「常にストップするリスクはある」とチャーリー・ホワイティングはコメント。「彼ら(フェラーリ)はそれを知っているし、私はそれを含めて考えるよう常にチームに言っている」「彼らは『我々はそれをすれば、これくらい長くかかる。停止するかもしれないので、1分間を加えるべきだ』と言うだろう」「完全にランダムだ。ジョー(バウアー:技術代表))は、最初のクルマを止めようとすることはほとんどない。あのような短い予選セッションでは最初のクルマはメカニカルトラブルで半周しかできずに戻ってくるかもしれないからね」「戦略的な理由で1周を終えて2台が入ってくるのは珍しいことだ。それが起こっただけだ」チャーリー・ホワイティングは、現在のシステムは目的に合っており、予選中の計量をなくするという考えはないと主張した。「彼ら(競技者)は重量を下回っていてはいけない。常にランダムでチェックを行っていく」とチャーリー・ホワイティングはコメント。「だが、コンディションが変化しているとき、彼は雨が少し降ってきて、ピットインしてタイヤを交換する場合、誰も止めるべきではないと言う」「それは気象条件が変化したときだけ認めている。(天候が大幅に変化したことをオフィシャルが認めた場合の一定の柔軟性はレギュレーションで保証されている)」「そのようなことが起こった場合は、他の誰かを計量することはないと言ってきた。彼らはコンディションが明らかに変化した場合、例えば、路面が乾いているようなときに、我々が彼らを計量に呼ばないことを知っている」