FIA(国際自動車連盟)は、Q2で10台のマシンしか走行せずに論争の的となったF1ロシアGPの予選を受け、パワーユニット交換によるグリッド降格ペナルティの変更を検討している。現行レギュレーションでは、15グリッド以上のグリッド降格ペナルティを科せられたドライバーは最後尾からスタートすることになり、複数のドライバーが該当する場合は、ペナルティが発生した順にグリッドの最後に配置される。
週末前にパワーユニットを交換したドライバーは、フリー走行1回目にピットレーンを出た時点でペナルティが“発生”する。このシステムは、昨年、複数のコンポーネントを交換することで、20台のグリッドで60グリッド以上の降格ペナルティという異常な状況が発生したため採用された。現在のシステムでは、予選で走行したドライバーにインセンティブが与えられることはないが、一般的にQ1ではドライバーは形式的に走行を行っている。F1ロシアGPでは、ペナルティを受けた5名のドライバのうち、3名がQ2に進出したが、タイヤやエンジンのマイレージを無駄にしないために3名全員がQ2で走行を行わなかった。また、ルノーは自由にタイヤを選択できる6列目グリッドが保証されるため、Q2で走行しないことを選択した。現在、FIAはペナルティを科せられたドライバーがセッションでフルに参加することを促すために、予選のタイム準備にドライバーを並べることを検討している。この変更によって、良いグリッドポジションを獲得するためにフリー走行1回目の開始前にピットレーン出口に早めに並ぶという奇妙な光景もストップさせることになる。実際、F1ロシアGPではグリッド降格を受けるフェルナンド・アロンソに代わって走行を担当したランド・ノリスが20分前からピットレーン出口に並んでいた。FIAのF1レースディレクターを務めるチャーリー・ホワイティングは「誰もどのようなことが起こるか予見できなかったと思う」とコメント。「まったく同じペナルティを科せられる5名のドライバーがいる場合、彼らがどのような順番で並ぶかを確立させなければならない。別の方法もあると思うが、いくつかのチームと話をしている」「ピットの出口にクルマが並ぶような滑稽な方法でそのような状況がさらに悪化するのではなく、5名のドライバーがいた場合、彼らの予選順位で後方に並べることになるだろう」「それは実際に走行したドライバーにインセンティブを与え、少なくとも彼らはできる限り高いグリッドを獲得しようとするだろう」チャーリー・ホワイティングは、それらの計画の投票が行われる可能性は“かなり高い”としているが、「まだ我々が考えていない欠点があるかもしれない。比較的新しいアイデアだ」と付け加えた。F1のスポーティングディレクターを務めるザク・ブラウンもF1は「わかりやすく、最高のショーを生み出すルールを目指さなければならない」と同意する。また、ザク・ブラウンは、ルイス・ハミルトンが遅いが耐久性の高いウルトラソフトをスタートをするためにQ2でハイパーソフトでの走行の最後にバックオフしたのは“ショーにとって間違いなく良くないこと”だと語った。ロス・ブラウンは、最近発表された予選をQ4まで拡大するというアイデアが、F1が常に潜在的な変更を評価する必要性があることの良い例だと述べた。「2019年の導入について合意に至ってはいないが、議論の種は捲かれたので、今後それらを成長させていく必要がある」