F1は、今後2年で大きな改革が進められることになりそうだ。早ければ2016年にもレース週末のフォーマットに変更が加えられる。F1が抱える議題を話し合うストラテジーグループ(メルセデス、レッドブル、ウィリアムズ、フェラーリ、マクラーレン、フォース・インディア)とFIA、FOMは、水曜日に会議を実施し、下記の変更を提案した。
・特にレースのスタート時を含め、ドライバーの補助とコーチング制限の拡大。今年のベルギーGPまでにドライバーが“完全にコントロール”を持つようにする。・パワーユニットペナルティの緩和に関してFAXで可決、来週、世界モータースポーツ評議会によって承認される見通し。・エンジン音の改善につながるエキゾーストシステムの変更。・新しいエンジンメーカーは初年度に限り1基分、多く使用可能とすること。今年のホンダから適用することとし、マクラーレンドライバーがそれぞれに追加のパワーユニットを使用できるようにする。・パワーユニットの費用見直し、トークンシステム、燃料の割当量増加に関してはFIAとFOMに委任する。・2016年に向けたタイヤコンパウンド選択の自由化。・2016年の予選およびレースのフォーマットを“刺激的かつ革新的”に変更する。・2017年により速いアグレッシブなF1を実現すべく新しいレギュレーションを概説。マシン幅の拡大、タイヤ幅の拡大、新しいウイング、フロア形状、空力ダウンフォースの大幅増加など。ドライバー補助に関する提案は既存のレギュレーションを用いてFIAが取り締まれることができるようにする必要があるが、その他、2017年に向けた提案に関してはF1委員会において全チームの満場一致の合意が求められる。FIAは、ホンダに処分なしで5基目のエンジン搭載を可能にする案と、エンジンコンポーネント交換に伴う複雑かつ厳罰なペナルティの変更についてはFAX投票が実施されると明かしている。レースフォーマットに関連する詳細は不明が、先週にはパリでFIA会長のジャン・トッドが日曜日のメインイベントに先立って、土曜日にスプリントレースを開催する可能性を示唆している。「レース週末のフォーマットが改善される見込みはある。レースを10周長く、あるいは短くすべきかどうかなどを話し合えるだろう。土曜日にスプリントレースをやるべき? いいのではなかろうか?」2016年に向けたエンジン音の対策や2017年の高速化などの計画は前回のストラテジーグループの会議で公になっていたが、今回の話し合いでは、パワーユニット関連のレギュレーション調整がFIAとFOMに委任されることになった。2016年も現行のV6ターボエンジンが継続されることになっているが、FIAはコスト制限と燃料割当量の増加(現在は毎時100kgの燃料流量でレースあたり100kgに制限)を目指すとともに、各シーズンにおけるエンジンメーカーのパワーユニット開発を認めるトークンシステムの再考を目標にしている。FIAは声明で「予定通り、昨日、ストラテジーグループはビギン・ヒルで会合を開き、前回の会議で提案された議題を追求しつつ、F1の将来のために新たな方向を評価した。非常に建設的な話し合いとなり、重大な決定と革新的な進化の承認に至っている」と述べた。「ドライバー補助およびコーチングの規制強化は満場一致の支持を得た。早急な実装を実現させると共に、とりわけレーススタートの規制を強化する。今年のベルギーGPがその始まりとなり、2016年へと進む。これらの処置によって、ドライバーがマシンのコントロールを完全に取り戻すため、レースの興奮と予測不能性を強化することが見込まれる」「オーストリアGPを受けて、パワーユニットペナルティの全面的な見直しに満場一致で同意したため、2016年のエンジン音改善に向けたエキゾーストシステムの変更案と共に、来週にメキシコシティで開かれる世界モータースポーツ評議会で承認を得られるよう、至急にFAX投票にてF1委員会に提出される予定だ」「加えて、チャンピオンシップに初めて参戦する新しいメーカーに関しては初年度に供給を受けるドライバーのパワーユニット数を追加することも合意に至った。公平を期すべく、今回の対応は2015年シーズンのホンダに遡って適用される」「トークンシステムの完全見直し、レースあたりの燃料割当量の増加、エンジンダイナモメーターの使用法を含むパワーユニット開発と供給コストに関する包括的な対応の提案についてはFIAならびにFOMに委任された」「タイヤコンパウンド選択の自由化が承認され、2016年に向けた様式はピレリと協力して確定される」「幅広のマシンとホイール、新ウイング、フロア形状、空力ダウンフォースの大幅増加を含む、より速く、よりアグレッシブな見た目のマシンを成し遂げることを目的とした2017年の新たなレギュレーションの概略が説明され、現在、チームの評価を受けている」「予選とレースのフォーマットは複数の刺激的かつ革新的な変更が議論されており、2016年の導入に向けてFIAとFOMが評価している」
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